Members Column メンバーズコラム

繋がりって大事

中橋修司 (中橋製作所)  Vol.676

私は、SAW~創~(そう、と読みます)という小規模企業、自営業の経営者交流グループを起ち上げ、会長をしています。

 KNSと同じようにリアルに顔を合わせて交流し、協業し、お互いに発展していくことを目的としています。拠点が東大阪なので、製造業の経営者のメンバーが多いですが、他地域、他業種の経営者も参加OKとしています。

 メンバーの平均年齢が40代前半になります。ほとんどが製造業で男性が多いので、ざっくばらんな感じで、和気あいあいとして、気取らない会になっています。

 2017年11月7日に第一回の会合を10数名で開き、コロナで3年ほど空白期間がありましたが、2023年11月現在、会員数80名のグループに成長しました。

 グループとしてのあり方や、ルールは、KNSに影響を受けています。

 会合は2か月に1度、奇数月に東大阪の文化創造館で勉強会を行い、その後、場所を移し懇親会を開いています。

 この、勉強会のあと懇親会、という形態もKNSの影響です。勉強会だけで帰る人は少なく、ほとんどの人が懇親会に出席します。グループとして、顔の見える関係を作っていきたい。リアルに会って話をして、お互いの理解を深めあえる会にしたい、という思いで会の運営をしているので、懇親会を大事に思っています。
 
 グループの事務局、というものは存在せず、会長の私が、会合の場所取りから懇親会のお店の予約、グループの会員への会合の開催の連絡等をしています。

 すべてを一人で取り仕切って大変じゃない、と言われることも多いですが、一人のほうが楽です。2か月に一度の会合の開催で、勉強会の内容も決めなくてはならない、となると、ある程度、スピードが要求されます。
 同じ会社にいて、毎日、顔を合わせる相手であればいいですが、別々の場所で別々の仕事をしている。それも経営者でそれぞれ責任もあり、忙しい。時間を合わせるのも大変。それならば一人ですべて決めて動くほうが、スムーズに物事が運びやすい。と考えています。

グループのルール。
 これもKNSからヒントを得て決めたものです。
 会合の出欠確認の返事は必ずすること。出席はもちろん、欠席でも必ずすること。2開催分、出欠の返事がなかった場合、それ以降の会合の案内はしない。 というものです。

 毎会合、メンバーの名簿を作成します。この名簿に従って私が連絡をしています。奇数月に会合は行われますので、1月3月の出欠の返事がなかった場合、5月の名簿からその人を外し、連絡はしない、ということです。仕事上の付き合いは、続けていきたいと思いますが、 通いにくい場所である等で参加を見合わせたい、と思っているような人には連絡が来ること自体が負担になりかねない、また、送る私の手間も省きたい、ということで、そう決めています。

そのルールがあるので、名簿に載っている人=必ず出欠の返事をしている人、ということです。みんな、アクティブメンバー、といえるでしょう。

メンバーの加入要件。
 経営者、もしくは次期経営者。またはそれに準ずる人。決定権者であること。

 メンバー加入も誰でもOKとしているわけではありません。まず私が会って、グループに合う方かどうかを確認します。それで、2023年11月現在、80名、という人数は、よく集まったなぁ、と思っています。

 勉強会の講師も、会長の私がやっています。
月会費もとっていない。参加費も一人500円、としているため、外部講師を招く予算がありません。
 外部講師を招くから、金額を上げて集めても不満はでないでしょうが、1時間程度の講習時間で、と思うと、私がやるよ、と思ってしまいます。

 私の職務遍歴は、証券会社 簿記講師 保険会社 現在の仕事である製造業、です。金融機関を渡りあるき、簿記の知識も十分あるため、メンバーのみんなが知りたいと思う金融知識や財務諸表の見方などの1時間程度の講義であれば、もともと簿記の講師もやっていたということもあって、問題なきうこなすことができます。メンバーからもわかりやすくてためになる、と高評価をいただいています。

 会の雰囲気としては、ざっくばらんな和気あいあいとしたものです。メンバーを決定権者に絞っているので、お互い仕事の話も進みやすい。実際にメンバー間で、仕事のやりとりが行われているようです。
 
 グループの内容紹介を新しい人に説明しているときに、よく聞かれことがあります。

 「そういうことをして、あなたにどういうメリットがあるの?」

 周りから見ると、私は損をすることをしているのです。

どういうことかというと。
 先に、グループのメンバー間で仕事のやり取りをしているようです、と書きました。

 本来であれば、製造業では、Aから仕事の依頼を受けて、私が仲介をして、Bに仕事をしてもらう。Bで出来上がった製品を私が受け取ってAに引き渡す、これで仲介料(マージン)を取る、ということをします。これをブローカー業務と業界では呼んでいます。
 AとBが顔を合わすことはないです。知り合えば、直接やり取りをするようになって、マージンを取ることができなくなるからです。

 この人(私のこと)、本当ならマージンを取ってすることを、それを放棄して、直接取引していいよって言ってる。なぜ?となるわけなんですね。
それは、SAW~創~という存在そのものが、私にとってとても価値のあるものだからです。

 私にとって、SAW~創~の存在は、強力な営業ツールになります。80社の協力企業があり、金属、樹脂、木材の加工全般を見積もることができる、といえるのは、とても心強いです。そういうグループを作り上げて良かった、と思っています。

 これでも、心強いのはわかった、でも、だからと言ってマージンを棒に振るのはどうして?となります。
 面倒くさい、というのもあります。マージンで10万円20万円とれるなら、やろう、という気にもなりますが、1、2万円だと、それなら本業で稼いだほうがいいや、と思ってしまいます。
 仲介に入る以上、加工不備などに対する責任も出てきます。そういうリスクを考えると、面倒くさいなぁと思ってしまうのです。

 会の雰囲気もざっくばらんな感じでいい。会費もいらない。メンバーも平均年齢40代前半で勢いがある。決定権者の集まりなので、話がスムーズに進む。業種が違っても、経営者同士、悩みや疑問など、気軽に相談できる仲間ができる、ということもあって、一度参加された方は、そのまま、次回にも参加するようになることが多いです。
 
 さて、じゃあ SAW~創~ これからどうするの?メンバー80名、それもアクティブメンバーで80名は立派なものだし、ずっと確実に増加していっているけれど、どこまで増やすの?事務局は作らないの?と聞かれます。

 今後、1年間は、メンバー間の繋がり強化、をはかります。創立時は、10数名ですから、お互い顔も名前も仕事内容も理解しあっていましたが、80名となった現在では、全員の顔と名前と仕事内容を理解しているのは、私だけとなっています。
 これは、私の目標とするSAW~創~本来のあり方ではありません。もっとお互いの理解が必要です。今後の勉強会も、講義ではなくグループワークを交えて、お互いの顔、名前、仕事内容を分かり合っているグループにしていきます。

 事務局、KNSでいう世話人のような体制は今のところ、取るつもりはなく、私が会長兼事務局でやっていきます。
 あなたになにかあったらどうするの?と言われます。
80名も人を集めているんだから、私がなにかあっても、いなくても、機能できるよにするのが責任だろう、という考えもわかります。そうだと思います。
いずれは考えなくちゃいけないよなぁ、と思いながら、ついついやりやすい現状に流されています。

 SAW~創~があることで、私は名刺交換の時でも、どんな企業の方とも臆することなく対峙することができます。メンバーも、グループ内でかなりの範囲の加工ができるのでそれぞれ仕事のやり取りができてありがたい、と言ってくれています。探す手間が省けてありがたい、のです。

 繋がることによって、また、規模の拡大のよって、みんなの役に立っている、力になっている。
 
 SAW~創~を今後もグループの良さ、雰囲気を維持しながら、成長させていきたいと思っています。

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