Members Column メンバーズコラム
会社でのKNSのかかわりをふりかえって
三宅英雄 (株式会社アイテック) Vol.447
KNS世話人の中で最も年を取っているため、長老と言われています株式会社アイテックの三宅英雄です。今年は、KNS発足して16年目となります。昨年、甲南大学で15周年定例会があり、私のKNSでのあゆみをプレゼン致しました。この内容を、現在顧問を引き受けている株式会社アイテックに焦点を合わせ、KNSとのかかわりについて、お話し致したく思います。
20年前弊社の研究開発の件で、当時岩手大学の地域共同岩渕センター長(現岩手大学学長)に面談した際、INSを紹介され、入会したのが弊社の産学官連携の関わりのきっかけとなりました。その後、産学官連携の其研究会を通じて堂野さんや与那嶺さんと知り合い、KNSが発足され、現在に至りました。
KNSでの交流を通じて、大阪府立産業技術総合研究所、大阪市立工業研究所などの公設試の紹介を受け、新技術開発に伴う専門技術者による技術指導や、試作製品の各種検査機器による製品評価などに助言により、数々の新製品完成の成果を得ました。また、大阪産業振興機構、MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)、堺市産業振興センター、大阪産業創造館などの府市支援機関の担当者の紹介により、展示会の展示補助や新製品開発助成の制度の公募説明の機会も得てまいりました。
このようなKNSのメンバー間の交流は、他のKNSメンバーも数々の体験をされていると思いますが、個人的にもKNS活動から、会社へ貢献したと感じる例が有ります。9年前のことですが、豊中市で「ヨシの保全とヨシ紙としての活用について」をテーマに、第20回循環型社会研究会が開催されましたが、そのとき其大学理学系ポスドクの方が参加されていました。その方は、淀川のヨシについて興味を持たれており、私自身も環境関連のエンジニアリングを行っていた経験もあったため、懇親会で環境に関し、大いに話が盛り上がりました。その時、今年度でポスドクの仕事が終わるとのことで、これからは実際に身体を動かすものづくり関連の仕事をしてみたいとのことでした。もし本当に身体を動かし、新製品開発というものづくりに参画する気持ちがあるなら弊社の面接を受けるかということになりました。数週間後に、面接を経て弊社に入社され、試験装置の修理や改造など本当に身体を使うものづくりを熱心に行われ、新製品開発にも参画されて、現在はそれ以外でも海外研究技術の文献調査、特許調査と特許出願案作成、HPの編纂など重要な仕事を任されています。
また、KNSの会議でも個人から会社間の連携につながったことも有ります。それは、6年前の平成24年6月に開催された「土佐まるごと社中(TMS)設立イベント/第3回KNS in 四国/第2回四国HC定例会」でのことですが、弊社飯田社長が四国支部世話人の佐藤さんに、弊社の超臨界技術を説明したところ、超臨界関連の研究をされている高知の大学の先生を紹介され、その先生が地元企業と共同研究されていた新製品の実証試験のための試験機の試作を弊社が行うことになりました。現在でも実用化に向けての共同研究は継続され、弊社も協力しています。また、大阪でも十数年前からのKNSメンバーの方の会社と新製品開発を行ったこともあり、地域の距離に関係なく、KNSを通じての産学官交流による成果が生まれています。一方、KNSの各種会合での情報交換の成果として、世話人である中川さんからは、メンバーである古芝さんが推進されている3Sを紹介され、実際に講習会を通じて会社全員の活動となって現在も継続され、その作業環境改善の意識づけの効果が出たこともあります。
余談ですが、ハプニングとして、十数年前のKNSが発足したころですが、弊社の特許管理をお願いしていた特許事務所のKNSメンバーであるか方が来社された時、飯田社長と私に対し、新しい産学官連携の組織KNSがあり、一度参加されてはと勧められました。飯田社長と私は顔を見合わせ、笑いをこらえました。そこで私がKNS世話人の名刺をお見せし、その方が非常に驚かれたことを今でも鮮明に記憶しています。また、KNS定例会で奇遇だったのは、以前弊社におられた方が、ご両親の介護のため退社され、その後、大阪の企業に就職されたとの情報が有りましたが、3年前のKNS定例会を初めて参加され、私と再会し、今では弊社と特殊技術の面で協力を得ています。勿論、彼は、KNSメンバーとして、それ以後、毎回定例会に参加されていますが。
それ以外にもKNSを通じた、例えば関東の客先の補助金監査で弊社にお見えになった方がKNS関東で活躍されている方だったり、弊社がお世話になった関東地域の大学の先生が、世話人の先生と友人で、KNS発足会では、わざわざ関西までこられたりと、まだ他にも、お話しできないほどのさまざまな人との縁を頂きました。
弊社でのKNSのかかわりをふりかえってみると、KNSで種々の交流の場を通じて、KNSのフラットなお互いの立場での情報交換で、多くのメリットを頂いたと思います。これらはKNSが有する独特な会運営に基づく産学官民連携の効果の一環と考えます。今後も、年齢的に制約はあると思いますが、KNS各種会合に出来る限り参加し、新たな出会いを求め、いろいろな人々と交流を行いたく願っています。