Members Column メンバーズコラム

みえメディカルバレーの今後の展開

増田直樹  Vol.122

増田直樹

三重県健康福祉部薬務感染症対策課の増田です。
 「薬務感染症対策課って、何か怖そうな名前ですね」って、初めての方か
らよく言われますけど、別にテロ対策をやっているわけではありません。医
薬品や医療機器、化粧品などの製造や販売などの許認可業務(いわゆる規制
行政ですね)、インフルエンザなどの感染症予防や拡大防止の業務、さらに
医療・健康・福祉産業(ライフサイエンス)の産業振興政策業務(みえメデ
ィカルバレーといいます)をやっている課です。

 「あれ、県庁で規制行政と産業振興行政のどちらもやっているという課は
あんまり聞いたことがないねぇ」と思われる方・・それは大正解です。全国
中探してもあんまりないと思います。なぜこうなっているか?
 最近、当課の担当が高知で開催された産学連携学会の中で、この様に発表
しています。「1994年日本において、医薬品に関する「製造管理及び品質管
理規則(GMP:Good Manufacturing Practice)」が医薬品の製造所の許可要件
となった。このGMP許可要件化は、従来からの製造施設の改修、新設への
流れを導き、本県においては、名阪国道沿いの工業団地に多くの薬事関連企
業の製造所が立地した。それに伴い、県内の薬事工業関連企業から、県の支
援に対する要望が当部に寄せられた。当時の担当者は、薬事法を所管する当
部において、医薬品の安定供給や薬事工業の振興という使命もあると考えた。
このような経緯を経て、薬事工業に限らず、医療・健康・福祉分野の産業振
興を担うメディカルバレープロジェクトを2002年4月から展開することと
なり、今日まで、産学官ネットワークの構築、研究拠点の設置、共同研究の
推進、製品やサービス等の創出等様々な成果が生まれている。さらに、平成
23年度からは、新たに「みえライフイノベーションの推進(県民の健康と福
祉の向上に貢献する製品やサービスを創出していく)」を重点的に取り組む事
業と位置付け、事業展開している。」
 わかっていただけたでしょうか? 新知事体制になってから、課名は変わ
りましたが、本分野の産業振興は今後もこの体制で進めていくことが全庁的
に決まっています。
 ちなみに、この中の「当時の担当者」というのは、私のことですが、現在
まで18年間(間に4年間抜けたけど)、県職員としては本当に長い間一つの
業務を担当させてもらっているわけで、さらに努力をと思っています。
 これまでの取り組みにより、鈴鹿医療科学大の薬学部や三重大学伊賀研究
拠点の設置、産学共同研究や企業立地、医薬品等生産金額の飛躍的な増加な
ど、産学官民で多くの具体的成果を生み出してきましたし、県内病院の臨床
治験ネットワーク構築など、当課ならではの取組もたくさんできたと思いま
す。
 では、今後の展開は? 先ほどの担当者が言っているように、平成24年
度から始まる「メディカルバレー第3期実施計画」では、ライフイノベーシ
ョンの推進を重点的な事業としており、23年度(計画より少し先走ってい
ますが)から、地域にある薬草や海産物などの天然資源を活用した医薬品や
化粧品等の開発事業や、医療・福祉現場の医師等のスタッフから収集したニ
ーズをもとに企業が医療機器や福祉機器などの開発を行う事業も産学官で行
っており、すでに多くの試作品もできてきています。また、三重県が医薬品、
医療機器等の開発拠点となる「みえライフイノベーション総合特区」を現在、
申請中ですが、このなかで、県内産学官民が連携し、県内病院等の診療情報
や画像情報、健診情報や遺伝子情報などを統合した大規模な医療情報データ
ベースの構築や研究開発、臨床研究機能を企業・研究機関に提供する体制構
築に取り組むこととしており、さらなる飛躍をと思っています。
 ご興味を持たれた方は、ホームページhttp://www.mvp.pref.mie.lg.jp/
をご覧になるか、私どもにご連絡ください。

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