Members Column メンバーズコラム

全国に広報を学び合う地域コミュニティをつくります

神崎英徳 (株式会社PRリンク)  Vol.596

神崎英徳

皆さん、こんにちは。
KNS世話人の1人、PRリンクの神崎です。

PRリンクはどんな会社かよくわからないと言われるのでまずは少し説明を。
PRリンクは、中小企業の広報活動をサポートする会社です。広報をサポートする会社=PR会社は大企業や自治体などをサポートしている会社がほとんどでメディアが多い東京に集中しています。

無形のものになかなかお金を出さないと言われる大阪で、かつお金に余裕がない中小企業専門の広報支援会社は成り立たないと創業当時はよく言われましたが、なんとか創業から15年目を迎えました。

もう一つの特長は、社会性へのこだわりです。私が創業したのは、「子どもがすくすくと育つことは当たり前ではない」と気付かされた出来事がきっかけでした。その時、自分に何ができるかを考え、世の中をより良くしようと努力する無名の中小企業、NPOを広く知ってもらうことができれば、その商品、サービスが世の中に選ばれるようになり、子どもが安心して暮らせる世の中に近づくと思い、それを担うPRリンク(PR=社会とのよりよい関係をつくる人たちと社会をつなぐ=リンク)を創業しました。

そんなPRリンクが、コロナ禍で自分たちは何をすべきかを考えて、行きついた結論が「広報を学び合う地域コミュニティづくり」です。特定の都市に人が集中するのではなく、地域に分散する。そのためには、地域に魅力的な企業がいること、地域をより良くする協働の活動が広がっていることを世の中に伝える必要があります。

オンラインが普及して、PRリンクがサポートできる地域に制約がなくなりました。それでもマンツーマンでサポートすることは限界があります。またSNSの普及や、新しい広報ツールの普及で、これまでの経験ではアドバイスが難しいケースも増えてきました。

そこでサポートのスタイルを、コミュニティづくりに転換しました。地域、社会をより良くしようと努力する企業がお互いの広報活動事例を共有したり、悩んだ時に相談し合える関係性をつくる。教えるのではなく学び合う。互いの理解が深まれば、社会課題解決につながる協働が生まれたり、協働での地域貢献も生まれてくると思います。

地域コミュニティに先駆けて、2020年の9月から大阪でコミュニティ型広報勉強会「みんなで広報会議」をスタートしました。毎月オンラインで開催(コロナが落ち着いたタイミングで1回だけリアル開催)しており、この2月で18回開催、現在の参加メンバーは約20社です。最初は広報活動の参考事例を順番に発表していたのですが、「うちの会社は発表できるほどのことをしていない」という声もあり、今では悩み相談型に変更。最近の開催テーマは、「広報活動の優先順位」「広報活動スタート期のステップ」「社員の誇りを高めるためにできること」「ユーザーとの距離感を縮める、SNSの発信」「どうすれば、社員にも広報を理解、協力してもらえるか」など、各社の悩みの解決方法を参加メンバーで考えるというスタイルに変わり、参加企業同士で、特殊紙+縫製技術を生かした協働も生まれました。

地域コミュニティづくりは、昨年の春頃からスタート。現在「福岡」「沖縄」「名古屋」「石川」でコミュニティづくりを進めています。それぞれの地域の「ブランディング」「キャリア教育」「人材教育」などの専門性をもつ企業に事務局を担ってもらい、「ブランディング+広報」「採用+広報」などのコラボセミナーを定期的に開催し、セミナー参加企業をベースにコミュニティづくりを進めています。コミュニティを全国に広げていきたいと思いますので、KNSメンバーや、その周りに連携できそうな人がいれば、ぜひご一報ください。

地域コミュニティづくりで、地域分散以外に実現したいと思っていることがいくつかあります。一つは柔軟な働き方の普及。PRリンクは6時間勤務(更に時短あり)、週1?5日を選べ、複業可、ほぼテレワークです。これは「子どもたちが安心して暮らせる社会をつくる」という理念の実践でもありますが、広報の仕事が柔軟に働ける職種であることも大きいです。地域コミュニティの地元で、地元の魅力を発信する仕事を希望するNPOやクリエイターを広報の専門家として育成することで、柔軟に働き方を全国に広げたいと思っています。

また地域コミュニティの参加企業で地域貢献を進める中で、NPOとの協働を促進。地元の大学と連携することで、学生に地元の中小企業に目を向けてもらう。地域コミュニティづくりで、社会がより良くなるために必要だと思っていた様々な課題を合わせて解決することを目指しています。

地域コミュニティは、文化圏単位に作りたいと思っています。例えば大阪府でも、北摂、河内、堺など異なる文化圏があり、その文化圏単位なら地域文化とつながるコミュニティになります。全国ではおそらく200か所くらいになるはずで、各コミュニティは10社程度を想定しているので、全国で約2000社が社会をより良くする広報を学び合うことになります。

そして全国各地に地域コミュニティができた時、私は何をしているか…。全国のコミュニティをめぐり、地域をもっとよくするための企画が話し合われている様子を眺めた後、地元の美味しい料理を食べてビールを飲む。そんな日々を楽しみに、地域コミュニティづくりに奔走しています。

写真は、初のみんなで広報会議リアル開催

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