Members Column メンバーズコラム

ミリヨゥギョ

上瀬正洋 (株式会社アドフェッション)  Vol.166

上瀬正洋

皆さん、お疲れさまです。
今回コラムを担当することになった元世話人の上瀬です。
乱文ですが、気軽にお付き合いくださいませ。

さて、こないだテレビでミリヨゥギョというタイトルに惹かれて思わず視聴してしまいました。

いやぁ思い込みって恐ろしいですね。
ミリがついているから、てっきり小さい魚の話かと思っていたのですが、全然内容が違っていました。

ミリヨゥギョ = 未利用魚 だったんです。

どんな内容かというと水揚げされた魚たちは全て一般市場に出回るのではなく漁港で市場価値がある魚だけを選んで一般市場、大手スーパーに買ってもらうのです。そこで落選した魚のことを未利用魚と位置づけるそうです。

しかも、底引き網ではこの未利用魚の捕獲率が40%ぐらいあるそうです。
えっ、40%も利益がない魚が獲れるなんて、ものすごくがっかりする結果ではないですか。

この未利用魚の行く末は、ほとんど海洋投棄されるようです。
良くいえば40%キャッチ&リリースってことです。

せっかく獲った魚でも市場価値がないから捨てるのです。
捨てる行為自体は、生態系の維持にもつながっているようですが。。。

しかし、製造業で考えると一ロット中に40%が不良品ってことです。あり得ない数字です。いやぁなんか衝撃を受けました。

その未利用魚に目を付けた業者も紹介していました。
市場価値がないけど食べられるから捨てられる前に直接買い付けて安値で取引されるのです。
漁業関係者も捨てるよりせっかくとれたので安値でも売れれば助かるのでWINWINの取引みたいです。未利用魚を利用魚にするとはその業者も考えましたね。あっぱれ。

そもそも未利用魚ってそんなに厄介者なのか。
その未利用魚って食べれないの?って疑問に思いますよね。
いやいや食べられるそうなんです。

想像していたのが一般市場に出回るには小さすぎる又は腐るのが早い、食べてもまずいとかの理由で未利用魚扱いされていると想像していました。

これも一つの理由にはなっているようですが、大きすぎるとか、調理方法があまり知られていない、見た目がグロテスク等々、買い付け業者やスーパーなどが売りにくい魚のことを言うようです。

でも、この図式は製造業にも通ずるものがあります。
お客さんが求めている必要なモノを安心して購入していただく、ビジネスとしてはスタンダードなことだとも思いました。

それがモノなのか生き物なのかの違いで、すごくもったいない気持ちをかき立てられました。

生き物だからもったいない、モノならばそこまで思わない。

やってることは同じでも対象物が違うとここまで気持ちが変わるものなんだと痛感しました。

幸い漁業とは違い製造業はお客さんの必要としているモノがわかれば計画的に製造できる業態です。

マーケットリサーチ、商品企画、生産量など比較的事前にやれることがわかっています。しかし、全てが上手くいくというのも現実的には難しいのは言うまでもありません。

私は印刷業を営んでいるのですが、見積依頼で1万部と2万部の見積もりだしてとよくいわれます。冷静に考えれば倍の数字やん。

その数字ってどこから算出したんやろといつも不思議に思いながら多分半年分と一年分ってことでしょうってことで割り切って見積もってます。

結局単価を抑えたい思惑なんでしょう。

その結果によっては印刷したけど余ったわ。
それって余った分はどうするの?捨てるの?

たまに引き取ってといわれるけど、引き取っても転売できひん商品でっせ。お客さん。

今では、オンデマンド印刷(デジタル印刷)が普及し始めている業界です。
オンデマンド印刷は製版の必要がないので小ロットでも単価を抑えることが出来るのです。わざわざ1年分を印刷しなくても必要な時に必要な枚数だけを印刷できるとても効率の良い便利な印刷方法です。

製造業の課題でもあるロスを少なくする。必要な量だけ製造する。
少々価格が高くても売れる付加価値の構築。等々まだまだ課題はつきませんが。

皆さんの廻りでもミリヨゥ●●が潜んでいるのでは?
もし、その捨てるモノが少なくて、また二次利用ができればもっと効率も利益も上がるのでしょうね。

私のいる印刷業界では、今まで知られていなかったミリヨゥシがウヨウヨいるはずなので、これからはミリヨゥシを少なくすよう努めることにします。

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