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摂南バニラコーラ、完成しました!
伊藤 優 (摂南大学) Vol.766
日本人は流行りものが好きといわれます。あれだけ不安視されていた大阪・関西万博も蓋をあければ評判が人を呼び、入場者数は右肩上がり。当初は評判がイマイチだったミャクミャクも、あちらこちらで見かけるようになりました。
さて、筆者もそんな日本人の一人だなと思うエピソードを紹介します。この度、昨今のクラフトコーラブームに乗っかり、摂南バニラコーラを作りました。筆者が勤務する摂南大学薬学部では、附属薬用植物園の大温室で、メキシコ原産の熱帯植物ラン科バニラの栽培を行っています。ここで勤務する栽培技師は、バニラ栽培の卓越した技術を有しており、特に人工受粉に関する知識と経験が豊富です。そのため、時には1本1000円にもなるバニラビーンズを、大阪府の摂南大学で、収穫出来るようになりました。これを主役としたクラフトコーラを作りたい!という私の想いが実を結んだのが、摂南バニラコーラです。上記のコンセプトこそ私から提案しましたが、材料となるスパイスの収穫から、レシピの試作、商品名「ウィズコーラ/w1th COLA」とキャッチフレーズ「食事のお供に」の検討は、薬学部生が担当してくれました。また、最後のラベルデザインは、たまたま試飲会で居合わせた農学部生が担当してくれました。ヒトとヒトとの繋がりで完成したクラフトコーラです。
上記のレシピ開発にあたっては、まず、夏に伊勢志摩で研修を行いました。これは、当園の薬草見学会に参加された本学OGの紹介で、三重県の伊勢くすり屋本舗と繋がったことがきっかけです。その後、奈良県の端壮薬品工業株式会社を紹介していただき、製品化を委託しました。ここでも、ヒトとヒトとの繋がりです。その後、学生のアイデアで作った試作品5種類を、一般の方に試飲して頂き、アンケートを取りました。ふんだんに使ったバニラビーンズが「黒いゴミが浮いていた」と誤解されるなど、商品アピールの難しさも実感しました。学生にとっては、大学の講義で学んだ知識が生かせたと同時に、講義だけでは得られない社会経験も出来たのではと思います。
上記の活動は、摂南大学開学50周年記念事業『「挑む、楽しむ。」プロジェクト』の一環で行っています。学生が何かに挑戦して成長していく姿を間近で見られるのは、大学教員の醍醐味かも知れません。余談ですが、先日、学生と筆者で、ウィズコーラ/w1th COLAの試飲と販売会を行いました。午前中は、筆者が先頭に立って宣伝をして、売れたのはたったの2本。ところが、所用で筆者が抜けた後の午後は、なんと学生2人で13本も販売したそうです。教員だからと無理に背中を見せなくても、学生は自ずと成長していくのかもしれません。
『温室育ちな摂南バニラコーラ』公式ホームページ
https://www.setsunan.ac.jp/~p-togo/ito_vanilla_series.html