Members Column メンバーズコラム
ものづくりネットワークの構築
石本一彦 (株式会社三協製作所) Vol.78
今期よりKNSに入会させていただきました株式会社三協製作所の石本と申します。
弊社は東大阪市加納という地域で金属板金加工、金属プレス加工、溶接及び組立加工を行っている製造業です。
昭和30年の創業で、元々は金属部品を扱う商社として立ち上がりましたが、
昭和35年法人化と同時に金属プレス工場を立ち上げ、扇風機部品を中心に手掛けておりました。
扇風機などの家電製品は中国へと移管になってしまい、
現在はフォークリフト、設備関連品等さまざまな分野の金属製品を手掛けています。
弊社は外から見ますとなんの変哲もない町工場なのですが、2009年より
東京オフィスを開設し、東京を中心とした関東地域での営業活動を展開しています。
商社や販売系の会社では、東京の拠点も珍しくはないと思いますが、
製造業のしかも町工場系では珍しいようです。
今日はその東京での活動の話しが中心となりますが、
進出のきっかけは私が2006年より参加した異業種交流会で、毎年6月に東京ビッグサイトで開催される
「M-Tech 機械要素技術展」に出展するという企画でした。
私も展示会出展には興味がありましたが、さすがにすぐはなかなか踏み出せず、
初年度は見学し、翌年から参加することになりました。
それから2年連続で出展しましたが、結果は惨敗でした。
問題になったのは、せっかくお越しいただいたお客さんのフォローが出来なかったことと、
大阪は東京の人から見ると遠く取引しにくいという意識を持っていることがわかったのです。
そこで3年目の出展に合わせて東京に拠点を開設し、フォローをきめ細かく行おうと思い切ったのです。
結果としては、それが当りました。
過去2年間まったく成果が上がらなかったのですが、この年初めてお客さんを獲得し取引に成功したのです。
そのお客さんは年間2000万円ほどの受注をいただくほどになり、現在弊社の重要な得意先となっております。
ここから本題なのですが、その時に東京へと行ってもらった弊社の女性社員が、
私の参加している別の異業種交流会の東京墨田支部に入会し、
初年度よりさまざまな企画を立ち上げ、周囲を唖然とさせてしまったのです。
その極めつけは、「墨田大交流会」という企画を立ち上げ、会員60名そこそこなのに、
なんと120名ほどの人数を集め、ビジネスマッチングの機会を作り大成功を収めました。
その実績から、東京周辺のさまざまなところから沈滞している会の活性を頼まれることになり、
嘘のような話しですが、次から次へと成功させていくのです。
彼女は昨年の12月に墨田の著名な板金製造業である、株式会社浜野製作所の浜野社長をパートナーとして
「MDファクトリーHS株式会社」を立ち上げ、地域の技術や取り組みをつなげ、新たなものを生み出す事業を展開しています。
現在そこが主催で「monozukulink.net(モノヅクリンク)」という地域間連携のグループを立ち上げようとしています。
2011年8月時点で参加企業は500社を超え、将来は全国にそのネットワ
ークを構築する予定ですが、私もさすがにそこまでは想定しておらず、今後
三協製作所としてどう関わっていくのかはこれから考えていくことになります。
ただ「人」が集まるところに情報も集まりそして仕事も集まるという図式
は、これからの中小企業には意識しておかなければいけないことであり、
その近い部分に立たせていただいている今の状況は、大きな財産だと実感しています。
当然このネットワークは弊社1社で独占するものではありません。
大阪のさまざまな中小企業の皆さんにもどんどんご参加いただき、
中小企業の未来を自分達の手で切り拓きながら、大阪のいや日本の発展を担ってい
けるような活動を展開していきましょう。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。