Members Column メンバーズコラム

星乃です。76歳、新しいことに挑戦します!
星乃 勝 (スマート観光推進機構) Vol.743
NPO法人スマート観光推進機構の星乃です。
実は3月末でNPO法人を解散しました。そこで、この20年間に取り組んだことを振り返ってみました。
私は大阪市職員として41年間勤務しました。計画調整局に勤務し「地域情報化計画」に関わっていた20年前、当時の訪日外国人は500万人程度でした。そして、当時の“黒門市場”は閑古鳥が鳴くシャッター通り商店街でした。そのような時、“黒門市場”で「外国人フレンドリー」という取り組みを始められ、半年後には今のように外国人が殺到する商店街に激変しました。この時、外国人観光客が地域活性化に非常に重要だということを感じました。
それからしばらくして交通局に戻りました。当時、“切符の買い方が分からない外国人”が増えていました。この対策として切符の買い方や道案内する駅員さん「サービスマネージャー」を導入することになり、私がその担当になりました。語学を勉強していた駅員さんを部下にいただき、毎日どのようにすれば良いか、できない理由を考えるのではなく、できる方策を議論しました。ポイントは“自分たち(駅員)がやりたい”と思うことでした。おかげで外国人にも日本人にも満足度100%の事業になりました。
大阪市を退職後、スルッとKANSAIに入社しました。当時から外国人向け乗り放題チケット『KANSAI THRU PASS』の外国人利用が急増していました。このチケットの急増の理由も“切符の買い方が分からない”“どこからどこまでの切符を買ったら良いのか分からない”が主な理由でした。“JRと私鉄の違いが分からない”という課題は残りましたが、今、鉄道の乗車方法はICカードのICOCA、PiTaPaからクレジットカードのタッチ決済、QRコード決済へ移行しようとしており、JRとの壁も取れそうです。
2024年の訪日外国人は3687万人でした。20年前は500万人ですから約8倍です。
20年前に訪日外国人が1000万人を超えると言うと笑われました。今、国は2030年に訪日外国人旅行者数を6000万人にする目標を掲げています。
ここまで訪日外国人の数を問題にしてきましたが、本当に大事なのは旅行消費額です。2024年の旅行消費額は8兆円超です。自動車産業15兆円に次ぐ“外貨獲得の2番手の稼ぎ頭”です。自動車産業はEV化など先行きが見えない面もありますが、観光の消費額はまだまだ伸びそうです。国も2030年の観光消費額を15兆円にする目標を掲げています。
私の子供たち三人は留学しています。国際交流の世界最大の団体AFSで高校生の1年間を外国で過ごしました。三人ともホームステイしており、家事の手伝いもしながら深い交流を経験しています。
長女がアメリカに留学して35年ほど経ちますが、長女に「お父さん留学させて」と言われた時は頭が真っ白になりました。その時の長女の真剣な姿から、これは必ず子供の大きな成長につながると確信しました。昨年、長女はアメリカのホストファミリー宅を訪問し大歓迎を受けています。今年はアメリカから妹夫婦が日本にやってきました。長女だけでなく、次女はスイス、長男はオーストラリアに留学と、国は違えど同じような経験をしております。
これは留学の話ですが、観光の最大の目的は「世界の人が交流する」ことです。
交流により、より深い文化も理解できます。ここに真の観光の価値があると言っても過言ではありません。
これまで私たちNPOは “外国人の観光に関する疑問や問題点を正しく理解する”ことに取り組んできました。しかし今、若い方が実業として取り組む段階に入ったので、NPOの役割は終ったと思い、NPOを解散することにしました。
しかし、まだボケ老人になるつもりはありません。
『私は今76歳! 新しいことに挑戦します!』
私も人生の最終章を迎えましたが、新しい取り組みを始めようと思い種蒔きを始めました。新しいことを始めるとイキイキとした感情が芽生えます。どのような事業なのかについても、またKNSで発表していきますので、その時はご助言、ご協力をお願いいたします。