Members Column メンバーズコラム
日本から出てみるということ
遠藤達弥 ((公財)京都高度技術研究所) Vol.294
このコラムは2回目で、確か1回目が京都に来てすぐに仕事のことを書いたという記憶がありますので、今回は趣味についてふれてみようなどと思います。
マラソンについてはコラムでも何人かが書かれていますし、未だ4時間を切ることができず、また、ホノルルマラソンは10年以上前に1回走りましたが、前々回の京都市の山本さんのようにドラマチックなことなど全くないので、年3回ぐらい行っている海外旅行について書こうかと思います。ちなみに、ダイヤモンドヘッドから昇る日の出がきれいだったのは記憶に残っています。
どのようなことが理由、きっかけで年に何度も行くようになったのか。7年前ぐらいまでは仕事で多いときには年間の半分ぐらい日本全国を飛び回っていたのが、ほとんどなくなったからということがたぶん理由の1つ目。乗り物好き、特に飛行機に乗るとうきうきするんですよね。2つ目は、海外旅行自身は大学の時と社会人になってからしばらく行っていたんですが、その後しばらく空いて、数年前に友人がシンガポールに赴任して、そこに遊びに行ったり、他にもスペインに旅行に行ったことで火が付いたんだろうと、今考えるとそのように思います。その後は1回に複数国をまたがったりしていますが、記憶の範囲でタイにベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、台湾、香港、上海、フランスなどなどと、タイやベトナムは3回、台湾は昨年の12月の訪問で頻繁に行き始めてからでも4回目になるというように堰を切ったように行き始めて、あと少しでパスポートの出入国印もページの半分に差し掛かろうとしています。
最初は世界遺産巡りなどと称してベトナムのハロン湾やラオスのルアン・パバンの町遺跡、カンボジアのアンコールワット遺跡など歴史や自然を主に求めて旅行に行っていたんですが、回数を重ねるごとに街やそこにいる人々の生活に関心を持つようになりました。
そうそう、2011年に大阪電気通信大学で開催されたKNSの定例会で紹介された「おかっぱちゃん旅にでる」のDVDを購入して、それがきっかけでルアン・パバンの町遺跡へと行きました。ルアン・パバンの町はラオスの昔の王朝があったところですが、フランスに植民地化されてフランスにより多くの建物が建てられました。その建物が今も残され、ホテルやレストラン、ショップなどいろいろな形で利用されていて素敵な街を作っています。ちなみに、そのような古い建物を壊すことは法律で禁止されていると聞きました。
日本では地方に行くと必ずスーパーマーケットの食品売り場に行ったりするわけですが、海外でもマーケット(市場)やスーパーマーケット、デパートなどに行きます。食は文化ですし、値段を見ると大体の生活水準ってわかりますよね。そのような中でスターバックスのコーヒーなどはぜいたく品かもしれませんが、タイのバンコクや香港などでは日本よりも高かったりします。また、話は変わりますが、バンコクのサイアムパラゴンというデパートに行くとベントレーやマセラティ、ランボルギーニなどといった高級車が売られています。バンコクに最初に行ったのが20数年前、その後5年ぐらい前、そして昨年のテロ後ですが、街を歩くと20年前からは勿論のこと5年ぐらい前からも街が大きく成長していて人々の生活が豊かになっていることを実感するとともに、勢いのようなものを感じます。元気をもらえるんですよね。日本にいるとタイといったら少し前の大洪水や昨年のテロ事件のことぐらいしか伝わらないのですが。
台湾も毎回行くごとに街が変わっていくことが実感できます。台北101もすごいのですが、台北の地下鉄はすごい勢いで拡張していて、数年前に市内の松山空港とつながったばかりですが、今年の3月にはついに桃園国際空港とつながるようです。そういえば12月に行ったときに発見したんですが、地下鉄に自転車を乗せることができるんですね。さすがGIANTをはじめとした自転車製造大国です。地下鉄といえば、台湾人はきれいに整列して乗車しますし、乗車時のマナーも日本人よりも格段によいです。みなさん、知ってました?また、高雄の駁二芸術特区や台北の古い街並みの残る西門町や西門紅楼の街づくりはもしかしたら日本での参考になるのではないかなと一人で思っていたりします。
インターネットなど情報のネットワークが急速な勢いで広がっていますから、積極的に海外の情報を得ようとすればそれは可能ですが、日常生活していて入ってくる情報というのはあまりないように思います。それに加えて、何となくですが日本のマスコミは「日本、または日本人はすごい」的な表現をするように思います。台北の地下鉄の例をとってもわかるように、すごいところもあるかもしれませんが、そうでないところもあるんですよね。海外に行くことではじめて自分自身や日本を客観的に見ることができるのだと思います。
KNSで今年も台湾開催を行いたいという声がありますので、開催の折には是非みなさんも一緒に参加してみませんか。
※写真は先月20日の台北マラソン2015のランナーと台北101です。