Members Column メンバーズコラム
まごころのネットワーク
大倉清教 (Kepla Design Studio) Vol.56
ケプラデザインスタジオ 大倉清教です。悲惨な災害が起きている状況で
このコラムを書いています。
日本だけでなく世界中から援助の手がさしのべられる中、遅々として現地
での救助が進まない状況と被災された方が家族の安否を気遣う姿が報道
されると胸が張り裂けそうに痛くなります。
私は一昨年以来、茨城県つくば市と福島市の新庁舎建設計画に携わり、
毎週のように現地に出張していましたので、他人事とは思えません。
その中で、娘がネット上に公開された「夢の国」と題したブログを見つけ
教えてくれました。あまりに感動したのでそのまま紹介します。
・・・カイロ、ビニール袋、タオル、毛布など配布。 キャストさんは着て
いたコートを貸してくれて笑顔を絶やさず対応。 一緒に頑張りましょうと
励ましてくれた。
ディズニーホテルや案内所、一部レストランを解放。 チョコクランチ
(缶ごと)やギョウザドッグ、うきわまん、ペットボトル、ポップコーン
など園内販売しているものを無料配布。 売り物のブランケットや毛布も
無料配布していた。
ショー中に地震があり、不安がるゲストを元気づけようとドナルドは踊り
続けた。マーメイドラグーンシアターでは揺れた時に、ワイヤーで宙づりに
なっていて一番危険で怖いはずなのに、ゲストを安心させようとアリエルが
笑顔で手を振り続けていた。
シェフミッキーではテーブルの下に潜ったゲストに対して、ミッキーや
ドナルドがひとつひとつテーブルを廻って励ましていた。 キャストさんが
不安がる子供に「今ミッキーが魔法で治してくれているから大丈夫だよ」と
言って励ましていた。
自身も不安だろうに、休むこともできずに、それでもゲストの不安を
最小限にしようとしていた。 朝食などはパンと温かいスープ、歯ブラシ
などを配布。入園したゲストには、パスポートにスタンプを押して、後日
また楽しんでもらえるように対応・・・
別のブログでは、
・・・揺れてるとき、やばいやばいと思って緊張からか指先も冷たくなって
きて 泣きそうになった 、怖かった けど、そんな中笑顔で手を振ってくれる
ダンサーさん ジェスチャーで「落ち着いて、大丈夫」って伝えてくれる
グーフィー
そのあとグーフィーは手を振ってくれて、隣にいたダンサーさんと肩を組んで
胸をトンッて叩いてた 「大丈夫!」って励ましてくれてたんだよね。
ミシカの時だったからもちろんむっちゃ高い位置にいるお姉さんが1番怖い
はずなのに笑顔で手を振ってくれた
海の真ん中にいるミッキーにさ、なかなかみんな目がいかないと思うんだけど。
しかもミッキーが下がってる最中だったのか隙間から顔が少し見えるくらい
だったのに。ずーっと手を振ってくれてるミッキーがいた。
感動とかいうレベルじゃなかった。
・・・
私は、このような行為はけっして訓練されただけではできないと思うのです。
常に心よりお客様のことを大切に考えているからこそ予測もできない事態に
陥っても平然とやってのけられるのだと考えます。
KNSと自分にについて何かを書くべきこのコラムですが、その気になかなか
なれません。一人のデザイナーとしてできることは、ほとんど微力です。
しかし、KNSのメンバーとして私たち一人一人が「まごころ」を伝えて、多くの
人々に感動を与え、社会に変えていけるようなすばらしいネットワークづくりが
できればと願っています。
今の私には、復興支援金への募金と電力の節約くらいしかできることがありま
せんが、それを呼びかけるとともに、現地のみなさまのご無事をお祈りし、
被災された方への心よりお見舞いを申し上げたいと思います。