Members Column メンバーズコラム
たまたま
安藤幹根 (KNS世話人(安藤公認会計士事務所)) Vol.14
私は、日常生活において「たまたま」という言葉をよく使っている方だと思いますが、
たまたまという偶然の状況が知らず知らずのうちに自分自身の人生(って、ちょっと大げさか)を左右していると考えることが時々あります。
もともと産官学民連携に何の縁もゆかりもなかった私がこうしてコラムを書くことになったのも、まさにたまたまですが、
このような状況に至った過程をちょっと振り返ってみます。
1.職業の選択(高校時代~たぶん昭和57年頃)
顧問先の方あるいはお知り合いになった方から、「どうして公認会計士になろうと思ったのですか?」
と聞かれることがあります。
それに対する回答はいつも「たまたまです」と決まっています。両親は共働きの会社員であり、
親族を見渡しても士業をしている人はいませし、知人や近所に士業をしている人もいませんでした。
このような状況から、高校の2年生の頃までは漠然と将来は公務員になろうと考えていました。
ところが、ある時、同級生から参考書を見るので本屋へ付き合えといわれ、
今までいったことがない本屋へ行くことになりました。
その本屋は自宅から高校への通学路とは全く別方向で、自宅から最寄り駅に行く途中でもなく、
わざわざ回り道をしないと行かないような本屋でした。
その本屋へ付き合いでいった後、どういうわけか一人で行ってみる気になり、
前回同様参考書を適当に見てから帰ろうと出口に向かって歩き出したところ、
左側の本棚に「公認会計士試験必携」なる本が目にとまり、何気なく手に取ってページをぱらぱらとめくり、
興味を覚えたのがこの職業との出会いでした。
2.独立開業を前にして(平成10年10月頃)
公認会計士として勤務していた監査法人(実はここに入るきっかけも、たまたまです。)
を半年後に退職し独立開業する決意をしたものの、監査法人勤務はサラリーマンと同じなので、
全くのゼロからのスタートとなります。
そこで、人脈やネットワークが必要ということになるのですが、
もともと愛知県出身で地縁も血縁もほとんどないに等しい状態ですから、
期待できるのは当時はやっていたパソコン通信しかありません。
当時はインターネットよりもパソコン通信の方がまだ主流(だと思う)で、パソコン通信といえばニフティでした。
ニフティの中にはフォーラムがいくつもあり、そのうち「リスクマネジメント&FPフォーラム」に登録をし、
ROM(メンバーの発言を読むだけ)していたのですが、たまたま、12月に千里中央でオフ会をする旨の告知があり、
悩むことなく主催者に参加申し込みをしました。
オフ会当日、たまたま隣に座られたのが公認会計士が立ち上げたベンチャー支援会社の関西地区を担当していた
公認会計士の方々で、いろいろとお話をさせたいただいたところ、一度、会社がやっているセミナーとかにおいでよ
ということとなり、早速参加することにしました。
そのセミナーに参加した後、当然、懇親会ということになり、その席でたまたま隣に座られたのが
中小企業診断士の中田さん(彼は数年後、イメディオのインキュベーションマネージャになりました。)でした。
3.KNSとの出会い(平成16年頃)
中田さんがイメディオ退職前に企画したセミナーの後任者として紹介されたのが、
今現在「あきないえーど」の経営相談室の主任でKNSの世話人もされている長川さんだったのです。
結局、セミナーは中止となりましたが、その代わりに教えて戴いたのがKNSでした。
産官学民連携の異業種交流とは無縁だった者にとって、各研究会や定例会は新鮮で刺激に富み、
頻繁に参加させていただきました。その後、世話人をすることとなり、順番巡って、今こうしてコラムを書いているのです。
独立開業後、いろいろな交流会に参加し、たまたまな出会いがいくつもありましたが、
KNSとの出会いが一番人生を左右しているような気がします。
今後も、KNSの研究会や定例会でどんな「たまたま」な出会いがあるか楽しみです。