Members Column メンバーズコラム

まだ間に合うぜ! 副業人材で業務効率化
高木英彦 (サポートGLP) Vol.741
【通産省→茨城県庁→KHK→福井県庁】
前回のVol.494の出講から5年が経過したこの時点で、近況報告そして初めての方には自己紹介も兼ねて、現在の活動、周辺の経済環境の変化などをつらつらと記させていただきます。
思い起こせば~、起こさんでも事実がそこに横たわっていますが、1980年に通産省大阪通産局に就職して、「好きなことをやれっ!罪を犯さん限り、失敗しても首にはならん、飛ばされるだけだ!」と上司に恵まれ、37年間「地域経済のコーディネーターだ」などと「うそぶいて」「思い上がって」ストレスを上回る数々の楽しみ、喜びをいただいて、2017年になんとか定年退職となりました。罪は犯さんでよかった(大笑)It’s a sin to tell a lie.っちゅう英語の格言もありますが、スレスレで嘘はついていないと思いますw。その後、茨城県大阪事務所で企業誘致に携わり、8か月で2社をゲット。KNSでもプレゼンしましたが企業誘致は面白かった。経産省出身の新知事の方針により50億の取扱高があった大阪事務所が閉鎖され、KHKへ運よく転職後63歳の2020年3月に二度目の退職、コンサルタント業サポートG L Pを開業して今に至っています。
経産省在職中からライフワークとして取り組んでいるツーリズム振興も、2020年4月からはNPOツーリズム研究機構理事にも正式に就任しました。とはいえ生活費を稼ぐ必要もあり、福井県庁に設置されている「ふくいプロフェッショナル人材総合戦略拠点」のサブマネージャーに応募して、私の最大のクライアントは福井県庁となり、現在まで2足の草鞋を履いています。
【経営にプロ人材の力を取り入れよう】
今回は、その「プロフェッショナル人材事業」を中心に周りの景色を眺めてみようと思います。
「プロフェッショナル人材事業」のことをご存じの方は少ないと思います。国(内閣府)と県が主体なのできっと広報が行き届いていないんですよね。
都市部のプロ人材を地域企業に転職という形で紹介・供給する仕組みで、今までに全国で3万人を超える転職支援が行われています。我々メンバーが地域企業の人材ニーズを発掘し課題解決策を提案して、ニーズを全国の人材事業者に送付し、事業者ベースでマッチングが行われます。ただ地域企業で支払える年収は低く、都市部企業、大企業からの中途採用は給与格差、地域間距離の大きさで難航するのが常です。成約率は約20%ぐらいでしょうか。人材不足が地域企業の成長阻害要因になっています。
日本海側の福井県では、有効求人倍率も1.8超えでプロ人材、一般人材ともに企業にとっては厳しい状況にあります。プロ人材では感覚的に30%ほどの年収ダウンで転居か単身赴任が必要で、引っ越してまで福井県企業に就職しようという人は、Uターンで両親の面倒を見るとか何か事情がないと、なかなか見つかりません。
福井では年間100件ほどの成約実績はあるものの周辺地域からのマッチングが多く、1年たっても採用できないと企業さんには徒労感、諦めが見えてきます。とはいえ、多くの経営課題は人材によって解消できるので、都市部の地域中小企業はいいなーと、福井からはうらやましく思ってしまいます。
【人材獲得は、雇用から活用へ変化】
この状況を解消する救世主は、副業制度にあります。2018年に厚労省のモデル就業規則が変更され、従業員の副業の扱いが原則禁止から180度転換して原則許可(容認)に変りました。今や上場企業のほとんどは(厚労省の行政指導があったか?)就業規則を変更し、社員の副業を認めるようになっています。「副業で社外で腕試しをして来い。副業すらできない奴は上には上げないぞっ」とウソか誠か怖い話も伝わってきます。
副業人材を募集すると、地域企業への就職、転職希望は少ないけれど、地域貢献、腕試しなど理由は何でもいいんですが、地域企業からみるともったいないような超優秀な人材が、副業者として応募してきます。月に5~10万円/20時間程度/WEBという条件で、課題解決を引き受けてくれるようになりました。地域の中小企業からみると、相手は大企業の中で厳しい競争に揉まれてきた人材で想像を絶する人材です。何を聞いても解決策を即答してくれるレベルです。この人材を使わない手はありません。3~4か月で一つのボトルネックが解消され、社長はじめ担当社員のレベルも一段アップし、企業さんからも感謝の言葉が絶えません。
【リスクはないのか】
社内に他社人材を入れるリスクはないのか心配ですが、情報管理は業務委託契約でしっかりと締める必要があります。業務、サービスを外注することでも同じ問題が生じますが、詳細な仕様書を作る必要はありません。副業人材を社内に取りこんで社員のごとく対処するのがキモで、実際に丁寧に仕事をしてくれます。3-4か月で一件落着です。雇用リスクの視点からは、リスクゼロです。健康保険も不要ですよ。
【副業人材に任せる業務はなんだ?】
副業人材は主にWEBでの業務が中心ですが、“業務改善、効率化”、”新規事業_事業再構築”、”ブランディング”、”ECサイトの制作・修正”、”SNS集客”、”IT導入・DX化”、”デザイン”、”生産ラインの効率化”、”5S・3Sの導入”、”動画マニュアル制作”、究極の依頼は「効率化の優先順位付け」なにから手をつけたらいいか分からないので、そこから教えてといった依頼も多い。逆に任せることができない業務は現場仕事です。人手不足解消の意図で毎日出社、お店に出てもらう、体を動かす作業は難しいです。プロですからハイレベルの仕事をお願いしましょう。
今回は、半分施策紹介、半分論文のようになってしまいましたが、副業を募集すると1週間で10-20人の応募があり、簡単にプロ人材を見つけることができます。
リスクは極小ですので、ぜひ、お試しください。
ご用命は、府県が開設する、プロフェッショナル人材拠点にお問い合わせください。
福井拠点: https://fukui-pro.pref.fukui.lg.jp/
内閣府事務局: https://www.pro-jinzai.go.jp/ ← ここから検索