Members Column メンバーズコラム

自分の「半径」を広げる、目の前にあるものづくりから世界へ

佐藤 賢 (有限会社 モールドモデル)  Vol.787

東京のオフィスから「手触り感」のある現場へ
私は3年前、都内で10年間続けていた株式投資の業界を離れ、父が営む山梨県都留市の鋳造工場、有限会社モールドモデルに入りました。
最近はAIが急速に普及していますが、ものづくりの現場にいて、人間が人間らしく生きるということは、デジタルなものだけではなく、手触り感や熱量に心が動かされることにあるのではないか。そう考えています。

「身体性」がもたらす幸福
工場では毎日ものが出来上がり、夕方にはトラックで誰かのもとへと運ばれていきます。その達成感とともに、裏山から吹き下ろす涼しい風を感じる瞬間、私は明確に「幸せ」を実感します。
「身体性」とは、頭だけで考えるのではなく、身体を通して世界を感じ、行動すること。この感覚こそが、これからの持続可能な社会において、そしてものづくり大国である日本において、豊かさの鍵になると信じています。

点が繋がる
現在、私たちが取り組んでいる新規事業の一つに、工場の廃棄石膏をカルシウム肥料として再利用するプロジェクトがあります。一見、金属加工の現場と農業は無縁に見えるかもしれません。しかし、徹底的な調査と出会いを繰り返す中で、佐賀県の有田焼が抱える石膏ごみの課題や、地元・山梨のぶどう農家が必要とするカルシウムが一本の線で繋がりました。

ありがたいことに、この挑戦は2026年2月、第6回アトツギ甲子園で経済産業大臣賞という形でも評価いただきました。過去大会を振り返ると、製造業から頂点に立つのは初めてと見られる出来事でもありました。地方の町工場からでも、地域課題と社会課題をつなぐ挑戦はできる。そう確信した瞬間でした。
地方の町工場が世界と繋がるロジックは、意外とこうしたところにあるのかもしれない。私はいま、そう感じています。

地域の「北極星」としての小学校
私が多角的な活動(技術継承、新規事業、コミュニティづくり、教育)に奔走する理由。それは「母校・宝小学校を廃校にしたくない」という思いです。
小学校は地域のコミュニティの真ん中であり、希望そのものです。会社を存続させ、雇用を生み、子供を育てられる給料を払うこと。そして、働くこと自体が楽しいこと、挑戦が続いていくこと、地域の交流があること。私にとって、会社と地域を守ることは完全に同義なのです。

あなたの「半径」は何メートルですか?
まずは自分と、自分の半径1メートル、両手を広げて届くものから。そして、そこから少しずつ「半径」を広げていくことで、結果として地域や社会、そして世界へと繋がっていくのだと信じています。
私は地域の「起点」となり、この町から新しい地域の未来を創りたいと思っています。

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