Members Column メンバーズコラム
今できる努力を
領家 誠 (生駒市役所) Vol.722
2024年11月1日、生駒市の副市長に就任しました。
このコラム執筆が決った時は、岡山マラソンの初出走の話を書く予定でしたので、まさか、この内容で書く事になるとは、思いもしませんでした。
1987年から始まった私の公務員人生は、郵政省の貯金事務センターの臨時補充員という会計年度職員からスタート。同センターでは、内部試験の制度があってそれを受けて、3ヶ月ほど働き、その年の4月から大阪府庁へ割愛で入庁。その後、33年間勤めて、生駒市へ転職。4年と7ヶ月勤めて、一般職としての公務員人生は、通算37年10ヶ月で退職となりました。
府庁で退職まで全うする思っていましたので、転職でキャリアアップしたいというようなこと考えもしていませんでした。ただ、現場に近い所で、もう一度、タクトを振ってみたい、社会の役に立つにはどこに身を置くのがよいかと思って、縁あって、飛び込んだ生駒市でしたが、転職後、3年間はコロナ禍の真っ只中で、当初考えていた地域に出る仕事はありませんでした。
しかし、その一方で、気付きがありました。若手が増え、現場は、彼ら、彼女らに任せるべきだと、今更ながら感じました。私が、地域に出て顔を売るより、若い世代が現場に出て顔を売ったほうが、長く地域に関われるわけで、良いに決まっている。
そして同時に、これからの我々世代の役割は、人口も経済も右肩上がりの中、創っていった制度、ストックを人口減少に見合った形に変えていき、次世代の荷を軽くすることではないか。そんな風に感じています。
人口減少の中、高齢者人口のピークを迎える2040年、2050年代、今の20代、30代は、まだ現役なわけです。彼らに現在、あるいは、想定できる未来の課題を、今できることをせずに、何もしないで引き継ぐのはよくないなと。人も予算も今以上に増えることは無いわけですから。
単純に、一朝一夕に、なんとかなる課題はもはやなく、放置してもよくなることは無い。今できることを積み上げていくでしかない。
この度、副市長という要職に就くに際して、このことを肝に銘じて、まず、この任期4年でできることをしっかり積み重ねていきたいと思います。
今回の就任で、生駒市に引っ越しをした関係で、岡山マラソンは欠場。年明けの枚方ハーフも公務で欠場となります。今季も大阪マラソン1本勝負となりました。
マラソンも積み上げ。レース当日の後半は、「今できる努力を」とつぶやきながら走っています。練習を積み上げ、当日になって苦しくなり、タイムがみるみる落ちていくことが後半の常態です。そんな時、今、あきらめたら、また、一からスタート。もう二度と、同じコンディションで走れる保証はないわけです。
特別職となりましたが、公務員人生も終盤。マラソンと同じだなあと感じています。これまでの積み上げを基に、「今できる努力を」とつぶやきながら、がんばります。