Activity Report 活動報告
コミュニティスポット2525 Vol.52 & Smips関西(産学連携関係者による“第10回重役会議”)
恒例の産学連携関係者による「第10回重役会議」を、Smipsとの合同主催により、12/1-2に大阪工業大学梅田キャンパスで開催される日本知財学会(年次学術研究発表会)の“勝手に”前夜祭と銘打って開催しました。
今回は「科学技術人材の育成」をテーマに、それぞれ異なった立場の人間が交流する経験を通じた、科学コミュニケーションの深化や主体的に学習する能力の向上等について話し合いました。
当日は、まずは、長壁さんから当初の15分という目安を大幅に超えてお話しいただきましたが(想定内)、そこからの質問が途切れず、そこで盛り上がってしまいました(想定外)。バトンを受け取った蛯名さんはうまく時間内におさめて話していただきましたが、当然、質問タイムはかなり割愛せざるを得ず、毎度のことですが、時間管理に失敗しております。その代わり、いつもどおりですが、交流会は大いに盛り上がりました。
■日時:2018年11月30日(金) 19:00 – 21:00(交流会21:00から)
■場所:ハービスPLAZA 5F会議室(大阪市北区梅田2丁目5-25)
http://www.herbis-kaigi.com/
■プログラム
◎テーマ:「科学技術人材の育成に向けて」
かつて産学連携という言葉が流行りだした頃、産学連携の効果について議論したことがあります。いろいろ上げられるでしょうが、異分野の者が交流することそのものに意義があるのではないか、という話にもなりました。それぞれが専門性を持つ人材であれば、イノベーションの創出に結びつくことだってあるでしょうし。ただ、今思うと、まずはそうした異分野交流を楽しいと思える人材になっていないと始まらないですね。
ということで、今回はお二人から、知財を題材とした小学校への出前授業の事例と、高校生の研究活動支援の事例を踏まえて、題提供をいただきました。
最初に長壁さんから、小学生向けの知財絵本を用いたワークショップ「発明・発見教室」の事例についてご紹介いただきましたが、将来を想像し、それを具体的に実現させるアイデア出させるのが普通の理科実験教室との違いだというところが非常に印象的でした。また、KNS(知識流動システム研究会)自身が絵本を作成・販売していることも注目を浴び、会場での即売も好調でしたし、今後の新たな展開も期待されました。
蛯名さんからは、まずは「研究」の基本的な考え方(研究者を育てる教育は、一般市民を育てる教育でもある。パブリックエンゲージメント、本格的な研究を実地にやってみるところから、何を学ぶかを見いだす等)について分かりやすく整理していただいた上で、高校生向け科学技術人材育成プログラム「ROOTプログラム」をご紹介いただいたので、若い世代の研究者への関心度を高め、根源的な問題に迫る課題設定ができる人間の育成に役立つと確信させるものがありました。それにしても「サイエンスにおける観客が重要」「耳の良い聴衆を育てる」「学校の枠を越える」「違うバックグランドを持った人と話ができる能力」といった言葉が印象的でしたね。
◎話題提供1: 自主製作絵本の読み聞かせを通じた知財・理科教育『発明・発見教室』
長壁 健さん(Smips 知識流動システム(KMS)分科会 オーガナイザー、
東京都医学総合研究所知的財産活用センター アソシエイト)
◎話題提供2: 今,高校生の科学研究活動を支援する意味
蛯名 邦禎さん(GSC/ROOTプログラム コーディネーター、神戸大学名誉教授)
◎参加者:18名
◎主 催:知的財産マネジメント研究会(Smips)、関西ネットワークシステム(KNS)
◎共 催:梅田MAG(阪神電気鉄道(株)
※ “重役会議”という名称には、参加していただく皆さんに、それぞれの立場を代表する“重役”(笑)のように、けれども、あくまで肩書きを外した個人として、積極的にご発言いただきたい、という思いが込められています。
※あたりまえですが、当研究会は「日本知財学会」とは、まったく関係ありません。念のため。