Activity Report 活動報告

コミュニティスポット2525 Vol.20 & 第9回地域産業政策研究会

重役会議

今年の産学連携関係者による“重役会議”は、いつもと若干趣向が違って、神戸で開催される「サイエンスフェアin 兵庫」というイベントの前夜祭と勝手に位置づけて、開催しました。同フェアは、科学好きな高校生と企業・大学との交流を図ることを目的としたものですので、今回は人材育成からの視点から、福岡、東京、静岡、福井、滋賀、神戸からと、全国から集まった“重役(笑)”を交えて活発な議論を行いました。

蛯名邦禎さん原山優子さん会場風景集合写真

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産学連携関係者による第5回“重役会議”
「産学連携による経験と学習 -産学連携コミュニティは人を成長させるか?」
-サイエンスフェアin 兵庫・勝手に前夜祭-
(Smips in関西&KNSコミュニティスポット2525 vol.20&第9回KNS地域産業政策研究会)
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 ※ “重役会議”という名称には、参加していただく皆さんに、それぞれの立場を代表する“重役”(笑)の一人として、けれども、あくまで肩書きを外した個人として、積極的にご発言いただきたい、という思いが込められています。

■日時:2014年2月1日(土) 19:00-21:00
■場所:ハービスPLAZA 5F会議室(大阪府大阪市北区梅田2丁目5-25)
■主催:知的財産マネジメント研究会(Smips)、
    関西ネットワークシステム(KNS)、KNS地域産業政策研究会
■共催:梅田MAG(阪神電気鉄道(株))
■話題提供者:
   ・蛯名 邦禎さん(神戸大学教授)
   ・原山 優子さん(総合科学技術会議議員)
■開催結果:
 まず、「サイエンスフェアin 兵庫」の事務局顧問でもある蛯名さんからは、同フェアの紹介をいただいたのですが、その前提として、神戸大学サイエンスショップの紹介なども交えながら、21世紀に必要とされる人材像を示し、柔軟性を涵養する場が必要であるという話をいただきました。つまりは、人材育成と地域の科学リテラシーをキーワードに、産学官民等々の組織を越えた、地域の「多角連携ヒューマンネットワーク」の形成が必要である、ということです。この「多角連携」というのは、産も学も官も民もその他も、ということで名付けたそうで、早速いただきました。
 次に、原山さんからは、総合科学技術会議での議論も踏まえて、「世界で最もイノベーションに適した国づくり」に向けての視点を示していただきました。すなわち、?誰が(その国づくりに向けた取組の)全体像を見るのか、?長期ビジョンを描き、どう機能させるか、?ドメスティックを生かした国際化(内から外へ、外から内へ)ということなのですが、そうした視点を設定した背景について、原山さん自身の考えや経験を踏まえて語っていただいたので、大変興味深かったですね。最後には、イノベーションに向けた環境整備を考えると、a)ダイバーシティが可能になるような状況を作るということが、一番の鍵であって、b)同時に人の流動性を確保し、いろいろな体験ができる機会を提供されるとともに、それにあわせたファンディングシステムを整えること、c)最後に、人々の認識の問題として、今までの成功体験からは外れることでもOKと言えるような認識をどこまで持てるかということが重要になる、という話をいただきました。
 以上の話題提供を受けての議論は、複数の経験ができる場が大学の中には少ない、学生の1割くらいは融合的な分野に参加させるように制度化しないと無理ではないか、ダイバーシティを本当に保証されるというのを内部から作っていくという議論が必要、学生を後追いして成果をあげた学生がその後どうなったかを見せてあげなければ、本音を語り合う関係から知の融合が価値を生み出しイノベーションを生み出す、INSが偉いのは肩書きを外した一人の人間としてコミュニケーションを図ることに価値を見いだしたところ、フォーマルな場というのはクレイジーなアイデアを言えない、自分をさらけ出しても恥じゃないという体験をさせてあげないと、イノベーションは大学だけでも産業だけでも起こせないので、そこをつなぐ人がまわらないと、ある程度の専門性を持っていて、かつ企業向けのマニュアルが書ける人というのは物好きに限られてしまう、そこは自分の専門領域に特化させてしまうシステムの問題であって、若い人ならば変わりうる・・・等々の意見が出てきたところで、いつもどおりの時間切れ。ちょうど議論が盛り上がってきたところで、打ち切らざるを得なかったのはちょっと切なかったですね。
 とはいえ、もちろん、交流会は大盛り上がり。というわけで、皆様ありがとうございました。

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