Activity Report 活動報告
【関東支部】ミニ井戸端会議 Vol.3
2008年 5月23日、KNS関東支部ミニ井戸端会議を9名の参加者によって開催しました。
今回は、東京都立橘高等学校を訪問しました。同校は、日本初の「産業科」というユニークな学科を持つ高校として、平成19年4月に開校しました。
ミニ井戸端会議の第1部では、同校の設立準備段階から関わってきた大室文之校長先生から、「キャリア教育を重視し、『ものづくりから流通、販売まで』の総合的な学習を行い、産業界で活躍する人材育成を目指すという同校の教育理念についてご紹介いただきました。
また、全日制と併設する定時制生徒たちの情報基礎(パソコン活用の基礎を教える)の授業参観も行わせて頂きました。
授業参観の様子
大室先生のお話の中で大変印象に残ったのは、「生徒たちが将来どんな仕事に就くにしても、「自立」していける素養を身についてもらう事を重視している。そのため、英語力向上、パソコン活用を重視したカリキュラムを作っている」という言葉でした。英語力向上に関しては通常の授業のほか、毎朝、全校生徒に10分間のヒアリングの時間を設けているとのことでした。
さて、同校の目玉である「産業科」関連のカリキュラムについて言えば、1年生の「産業技術基礎」として城東地区に特徴的な産業分野である、①陶芸・金属加工、②ガラス工芸、③服飾・繊維加工、④プラスチック加工またはクラフト、⑤皮革工芸または電気・電子工作、⑥食品加工の6分野の実習を、生徒全員が必修として学べるようになっているとのこと。そこでは単にものづくりの実習を行うにとどまらず、仕入れ、原価計算、出来たものの値付けまで行わせるとのことでした。
カリキュラムの説明
その他、産業科の特徴的な科目として、産業社会の発展や企業経営、ベンチャービジネスについて学ばせる「起業家精神と職業生活」を1年生で、企業活動の模擬体験をする「キャリア情報」を2年生で、年商3000万円以上の会社の社長になったつもりで会社のバーチャル経営を経験させる「マネージメント演習」を3年生で学ぶ。まさに実社会で役立つ産業人材を育成するために設計されたカリキュラムという印象を持ちました。
また、今年度から地元の中小企業社長や一橋大学関満博先生を講師に招いた「地域産業論」の授業も始めるとのこと。
第2部は、亀戸駅の居酒屋に移動して大室先生を囲んで交流会を行いました。
(文責 関東支部世話人 大熊謙治)
日時:2008年5月23日(金)18:30-20:30
場所:東京都立橘高等学校 校長室
(東京都墨田区立花4-29-7)
概要:18:30 大室校長先生のご挨拶
簡単なオリエンテーション後、
定時制の授業参観(情報基礎)
19:00 参加者の自己紹介
大室校長先生自己紹介の後、
橘高等学校概要、設立理念等の説明
20:30 (質疑応答)
20:45 坐・和民(亀戸)にて交流会