Activity Report 活動報告

オープン・サイエンス研究会 Vol.10 研究室探訪:皆川健多郎さん

 今回は、元KNSメンバーである皆川健多郎さん@大阪工業大学の研究室にお邪魔いたしました。とはいってもお邪魔したのは研究室のある枚方キャンパスではなく大宮キャンパスの方でしたが、模擬生産ラインを設置した演習室での説明もありましたので、むしろ普段皆川さんが何をなさっているのかがよくわかったような気がしています。
 さて、大学のHP(情報科学部、データサイエンス学科)によると、モノづくりの現場では、つねに品質を上げよう、コストを下げよう、リードタイムを短くしようという取り組みが続けられているわけですが、その現場の知恵と工夫に情報通信技術(ICT)を掛け合わせる、例えば、サイバーフィジカルシステム(CPS:現実世界(フィジカル空間)とサイバー空間を融合し最適化を図るための仕組み)を融合させることによって、日本型のスマートモノづくりを促進することを目指しているようです。その中でも、皆川研究室は「ものづくりマネジメント研究室」として、現場第一主義を掲げているところがミソなのだと思います。2005年の経済産業省の産学連携製造中核人材育成事業を皮切りに、商工会議所や中小企業同友会等と連携した社会人研修やJICA等と連携した海外研修を数々行ってきた実績に基づいて、「改善の継続から人材育成」に繋がるんだとおっしゃられると納得してしまいます。教育は知らないことを教えること、訓練は教育で知ったことを行動できるまで練習することという言葉も印象的でした。また、当然ながら、モノづくりの現場でもIot、ロボット、そしてAIの活用が求められてきているわけですが、現状のままデジタル化、ロボット化を進めても経営成果は上がらない、経営資源をうまく活用する管理技術上の課題を見抜いた上でデジタル化を図るようにしなければ、というお話は得心がいくものでした。

 もちろん、研究室を出てからは、近くの居酒屋で交流会となったのですが、これがなかなか泣かせるお店で、それを含めて大いに盛り上がりました。感謝です。

■日 時 : 2025年10月7日(火)
 集 合:18:30
 探 訪:18:30から19:45まで
 交流会:20:00頃から

■場 所 : 大阪工業大学 大宮キャンパス(大阪市旭区大宮5-16-1)

■訪問先

◎皆川健多郎(みながわ けんたろう)さん
大阪工業大学情報科学部データサイエンス学科 教授
1992年大阪工業大学工学部経営工学科卒業。1998年同大学大学院工学研究科経営工学専攻博士後期課程単位修得退学、工学博士。その後、同大学工学部経営工学科助手、技術マネジメント学科講師、環境工学科教授などを経て、2021年情報科学部データサイエンス学科教授となり、現在に至る。大阪工業大学ものづくりマネジメントセンター長。博士(工学) 日本経営工学会・副会長。日本設備管理学会・副会長。経済産業省委託「産学連携製造中核人材育成事業」2005/2006プログラムマネージャー。
専門は、経営工学、インダストリアル・エンジニアリング経済性工学など。著書に「新人IErと学ぶ 実践 IEの強化書」日刊工業新聞社(共著)がある。

 

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