Members Column メンバーズコラム
言葉に出すことで引き寄せる
北川雄一 (AquamarineStyle株式会社) Vol.724
KNS の皆さま、こんにちは。
私は現在エモーションデザイナーという肩書きで映像作成やグラフィックデザイン等 をやっておりますが以前は全くデザインの勉強をしたことも関わりもない
営業職として⻑年企業に勤めておりました。
それなりに実績も残し営業という仕事自体が好きでやっていたのですが最終的に WEB 制作の営業をしていたことがきっかけでデザインの世界に魅了され独学で勉強して起 業に至りました。起業前は地元の魅力を発信する YouTube を運営して少し動画編集が できる程度で、デザイナーとしては基礎も曖昧で受注を受けるたびに知らないことが 出てきて現場で新しいことを学んでいく状態でした。
まずは何でもやってみようという気持ちが強くどんな話が出ても断らないをモットー に活動をスタートしました。
やっていくうちに WEB 制作で受注頂いたクライアント様からグラフィックデザイン や印刷、映像制作などの話も出るようになり気付けば何でも屋に。
いろんなデザイン会社やサービスがあるなか特徴のない「何でも屋」ほど目立たない ものはない。
もちろん一度仕事がつながった案件に関しては何でも屋が強みになる部分もあります が…
おそらく出会ったほとんどの人は映像制作や WEB,グラフィックの相談があっても特 徴のない「何でも屋」の私ではなく強みを持っていたり、何かに特化している人を
思い出すんだろう。
今は知り合いからの紹介など自分が有利な状態で始められる仕事が多いので何とかな っていますが、もちろんそれだけではダメで
この先⻑くやっていくには自分も何か強みであったり特徴を作っていかなければ生き 残れないと考えるようになりました。
自分の強みとは何だろう….
⻑年の営業経験があり人とコミュニケーションを取ったり場の空気を読んだりするの は得意な方かな。
デザインの現場経験でいうと基礎から学んでいたり⻑年プロとして戦っている人には 現時点では勝てないな。
でも声の大きさはあんまり負けたことがないな笑 事務作業はやってはいるけど得意ではないな。 イベント等の司会とかは得意な方だな。
などいろいろ考えましたが最終的な答えはシンプルでした。
人を喜ばせるのが好き。
言葉だけだと「皆さんの幸せが私の喜びです!」 みたいな感じに受け取れますが そんな聖人君子のような考えや、そもそもそんな大きな話ではなく
身近な人や関わった人を笑わせたり、喜んでるのが楽しい。 それは「自分も一緒に」というのが前提なので
「一緒に楽しく遊びましょう!」 というのが正解なのかもしれません。 実際に以前は自分が興味を持ったモノやサービス、人に関してのみ 無料で取材に行って動画を作っていたこともありました。 原点は自分が楽しかったからです。
そこから広げていくなら原点は感情なので 自分のことを「エモーションデザイナー」と名乗ってみました。 何でも屋ではなく動画が得意って言ってみよう!
そうして肩書きやターゲットを絞ったことにより、一番変化があったのは 自身の話し方や表情だと思います。
そこからは映像の仕事の相談が増えることに。 それまで「何でもできます!」と言ってきたのは強気の姿勢なんかではなく
おそらく経験不足からくる自信のない自分を誤魔化すために強みを曖昧にした逃げの 姿勢だったのかもしれません。
最近は映像を中心にグラフィックや WEB 等に仕事が広がっていくことが増えまし た。また強みを明確にすることで、「餅は餅屋」となり、得意でない部分はそれができ る人たちと連携しやすくなりました。
強みを明確化する前と後では⻑い期間があったわけでもなく何かが大きく変わったわ けではありませんが言葉に出して言っていくことで、自身の立ち振る舞いや行動が変 わり、それに影響されて自分や周りの環境が変わるんだということを経験しました。
後日身近な人もこういった体験をしていたと聞きました。
階段や手摺りを作ったりする「ものづくりの職人さん」なのですが、いろんなものを 作っていく中で余っていく材料等の量が凄まじく、その後再生できますがその際は大 きなエネルギーを必要とすることが気になっていたらしく、そういったものを環境に も配慮しながらできる限りそのままの形状を保ってリサイクルし、現状の BtoB では なく BtoC に向けて販売できるような商品を作りたい
と考えて周りに話していたところ、それを実現するために必要な人や会社との出会い がたまたま続き、気付けばスタートに向けて一気に進んでいたそうです。
やはり言葉に出すことで自身の考え方、態度や表情が変わっていき、それが周りの人 や環境に影響してたくさんの必要なものや共感者を引き寄せていけるんだと実感しま した。
もちろん発した言葉には責任があり、それを実現させるための覚悟が必要なこともあ りますが、しっかりと気持ちをのせて背伸びをしすぎず自然な態度でこれからもハッ キリと大きな声で自分の考えや実現したいことを言葉に出して生きていきたい。