Members Column メンバーズコラム

“KNS in 舞鶴“ 今年8月23日(土)開催
釼菱英明 (株式会社ケイズドア観光交流アドバイザー) Vol.750
みなさん、こんにちは。舞鶴に関わっている株式会社ケイズドア観光交流アドバイザーの釼菱(けんびし)英明です。
私は2012年から7年間舞鶴観光協会/まいづる広域観光公社で勤務し、その間、2015年には”KNS in 舞鶴”を開催しました。
当時を振り返ると、KNS開催のために地元に非営利NPO法人「舞鶴クリエイティブアソシエーション」を立ち上げてもらい、会場は2015年に開校したばかりの舞鶴YMCA国際福祉専門学校。私自身も講師として学校の宣伝を兼ね校舎をお借りしました。交流会は2012年にオープンした舞鶴赤れんがパークの市政記念館の「Café JAZZ」で開催しました。当時ご参加いただいたみなさんとは、翌日に参加した「砲雷撃戦よーい!」や「丹後天酒まつり」といったイベントの思い出が、今でも話題に上ることがあります。
今回の開催は、Coworkation Village MAIZURU(略してCVM)を受入側団体とし、10年ぶりの舞鶴での開催です。23日の全体会・プレゼン大会・交流会、そして24日のエクスカーションを通じて、舞鶴の「今」を感じていただける機会にしたいと考えています。
舞鶴のご紹介
舞鶴市は、今や「海の京都」として知られる京都府北部、日本海に面した都市で、面積は342.12㎢、推計人口は74,409人(2025年5月1日時点)です。
市街地は天正10(1580)年に細川幽斎が築いた城下町を基に発展した「西地区」と、明治34(1901)年に海軍鎮守府が設置され、軍港として発展した「東地区」に分かれています。また、大浦半島や京都府最大の河川・由良川河畔など、自然に恵まれた地域も特徴です。
舞鶴は軍港としての歴史を持ち、現在も海上自衛隊舞鶴地方隊や海上保安庁舞鶴海上保安部が置かれています。また、日本板硝子やジャパンマリンユナイテッドの造船所、関連製造業も集積する産業都市です。
2012年には「舞鶴赤れんがパーク」がオープンし、「舞鶴と言えば赤れんが」と言われるほど認知度が高まりましたが、その背景には長年にわたる市民の地道な活動がありました。例えば、長い間埋もれていた赤れんがロードは地元住民により掘り起こされ、1991年に始まった「赤れんがサマージャズin舞鶴」は全国にその名を広める契機となりました。
舞鶴市は観光の拠点を赤れんがパークに定め、ちょうど私が赴任した2012年に開館。舞鶴観光協会が10年間にわたり管理を受託し、2019年には来館者が70万人を突破しました。「舞鶴港とれとれセンター」と並ぶ、2大観光拠点の一つになりました。
これからの舞鶴
舞鶴市も、他の自治体と同様に、高齢化や若年層の流出、人口減少といった課題を抱えています。しかし、私はコロナ禍を経て世代交代が着実に進んでいると感じています。
かつて舞鶴の人々と話す中で、「引き揚げの歴史には関心が薄い」「投資は舞鶴市外で行う」といった声を多く耳にしました。しかし、舞鶴引揚記念館の収蔵物をユネスコの世界記憶遺産にしようという市民の動きが実を結び、2015年に登録が実現しました。最近では中高生による「語り部」希望者が増加しています。
また、地元ファッション企業「ウッディハウス」を筆頭に、次世代が地域に投資し、子ども世代が「ここに残りたい」と思える活動が増えています。その流れを受けて移住者も徐々に増えており、新たな地域循環が生まれつつあると感じています。
2024年2月には、3期務めた多々見良三前市長に代わり、43歳の鴨田秋津氏が市長に就任。柔道5段、警視庁出身の経歴を持ち、「次世代への徹底投資」「産業振興と雇用の創出」「歴史と文化による郷土愛の醸成」といった政策に私は大きな期待を寄せています。
赤れんがパークでは、舞鶴市がPark-PFI制度を導入し、2021年にはウッディハウスが民間事業者として選定されました。2024年には来場者が100万人を越え、今後10年で150万人を目指す計画が進行中です。
一方、西舞鶴の高野川沿いにあった倉庫群など、かつて北前船で賑わった面影は失われつつあります。しかし、江戸時代からの建物が残る吉原地区では、京都女子大学の研究チームも加わり、地域住民の勉強会を重ね、2022年10月には「吉原歴史的景観保存活用実行委員会」が発足しました。現在、市と住民が連携して、重要伝統的建造物群保存地域申請に向けて取り組みが始まっています。
今回の「KNS in 舞鶴」では
今回は、全体会にて鴨田市長やウッディハウスの志摩社長、KNS世話人の堂野さんによる講演そして人気の海上自衛隊音楽隊による演奏をお楽しみいただきます。
ご宿泊の方には、翌日、戦後80年・世界記憶遺産登録10周年を迎える「舞鶴引揚記念館」の見学や、海軍の食文化である「百年フード」の体験、そして歴史的な街並みをどう保存・活用しようとしているのかが分かる「吉原」地区へのエクスカーションを予定しています。
また、赤れんがパークでお時間があれば、文庫山に昨年オープンした複合施設「atic(アティック)」にも是非お立ち寄りください。舞鶴湾を一望できるカフェからは、自衛艦、造船所、クレインブリッジなどの景観をお楽しみいただけます。
8月23・24日は暑さの厳しい時期ではありますが、ぜひ舞鶴にお越しください。
私とCVMの作間宏介さんがみなさんをお待ちしています。