岩手・陸前高田うんめぇもんフェア

藤澤良志 (岩手県名古屋事務所)  Vol.119

　そんなわけで、5月はゴールデンウィーク返上で、土日祝日の全て、のべ10
日間にわたり、JRや市営地下鉄、名鉄が乗入れしている金山総合駅において、
岩手県名古屋事務所と名古屋市役所との共催で岩手県、陸前高田市の農林水産
物やお菓子などを販売しました。

　百貨店で行なう物産展のように、その道のプロが仕切るものとは違って、
僅か7mほどのテント一張り、出展者も1回当たり2～3社という超ミニ物産展
でしたが、借用したテントや机を自分たちで並べたり、商品の一部を事務所か
らレンタカーで運搬、わかめや生しいたけなどの保冷のため水産卸業者に頼
み込んで氷を分けてもらったりなど、何かとやることの多い、手作り感満載
のイベントでした。

　実際にやってみて初めて解る段取りの大変さ、間取りの調整から始まって、
毎週末の「売り子」に運動不足の体が持つのか、天気は大丈夫か、売上げは
どうだろうかなどと、不安な思いに駆られながらのスタートでしたが、始ま
ってみると天気にも恵まれ、スムーズに行なうことができました。

　お買い上げいただいた市民の皆さんの励ましなどをダイレクトに聞くこと
ができたことも収穫でした。学生ボランティアや昨年、名古屋市役所から陸
前高田市に派遣された職員も、応援に駆けつけてくれました。

　昨年、名古屋に来た中学生たちは、ナゴヤドームでの野球観戦、名古屋市
科学館でのプラネタリウム、劇団四季のミュージカルなどを楽しんだり、ホ
テルでの接客、動物園での飼育、地下鉄や消防署、病院の業務など様々な就
業体験を行うことができ、とても喜んで帰りました。

　また、陸前高田市の中学校と名古屋市の中学校との間で、今回の大震災や
伊勢湾台風の被害についての情報交換を行ない、災害に強い街づくりや復興
への希望の共有についてフレンドシップ協定が結ばれるなどの交流もありま
した。

　今年の中学生たちにも、多いに学び、交流し、有意義な体験してもらいた
いと思っています。

　最後にテーマとは関係ありませんが、岩手から赴任して3年目、名古屋生活、
最終の年になるかもしれないので、今年の活動目標を一つ。

　名古屋では、昨年出版された地元の居酒屋を紹介した本、地元在住のライ
ターが実際に店に足を運び、自腹で取材して書いた本がちょっとした（名古
屋地区限定の）ベストセラーになりました。

　大阪にも勤務経験のある沖縄県名古屋事務所の所長から、「名古屋は大阪の
ように、ちょこっと立寄って何件かはしごできるような、安くて美味しい居
酒屋がなかなか無いんだよ！」と嘆きの声を聞き、私も同感に思っておりま
した。なにぶん地元民ではないのでまだ知らないだけかもしれません。

　というわけで、この1年はベストセラー本を片手に、名古屋で大阪チック
な安くてうまい店を開拓するべく活動して参ります。
　その情報をきっと皆さんに提供できると思います。