Members Column メンバーズコラム
第18回サイエンスフェアin兵庫に参加して
藤川昌浩 (有限会社デジタル・マイスター) Vol.783
サイエンスフェアin兵庫は、兵庫県内のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校16校と兵庫県教育委員会が合同で運営し、高校生等の研究発表とともに、研究開発や製品化に取組む大学・企業・研究機関が出展し、高校生が科学技術の利用や活用に触発される機会を提供しようとするものです。KNSでは、2014年2月2日に開催された第6回サイエンスフェアin兵庫から有志によりほぼ毎年参加しています。第8回サイエンスフェアin兵庫までは神戸国際展示場で開催されていましたが、第9回からは甲南大学ポートアイランドキャンパス(甲南大学FIRST)周辺の大学や研究機関での分散開催となっています。今年(2016年)は1月25日に第18回サイエンスフェアin兵庫が開催され、KNSオープンサイエンス研究会を中心とする有志が参加しましたので、その概要をご紹介し所感を述べることとします。
09:30~の受付に合わせて、各高校から参加者を乗せたバスが会場に到着し、会場周辺では参加する高校生たちは発表準備のために各会場に散っていきます。指定校16校の中には豊岡高校からの参加があり、この大雪の中参加するのは大変だっただろうと思うと共に、高校生や教員の方々の熱意には感心するばかりです。我々KNS有志メンバーは例年通りポスター発表なので、甲南大学FIRSTに10:00集合し10:30~の開始までに準備を行います。
さて、私は毎年、心電図と脈波を計測し、ストレスレベルを評価し、血圧を推定するシステムの紹介を行ってきました。初参加から毎年同じ内容で進歩が無く、毎年参加する高校生からは「去年と同じだね」と言われたりしますが、それに屈することなく「継続は力なり」を信条に心の平静を保つようにしています。しかし、「変わったこともしたい」という正直な気持ちも併せ持つ技術者の端くれでもあります。
そんなこんなで初参加から早12年、当初は展示会のような製品紹介のようなことしかできませんでしたが、サイエンスフェアの趣旨に鑑み、説明の仕方を変えてきました。
具体的には、ストレスレベル評価や血圧推定は、高校生で習う微分・積分や確率・統計の知識で、そのメカニズムを説明できることを紹介してきたつもりです。説明をした後、高校生に聞くと「分かった!」と言ってくれますが、本当に理解できたかどうか疑問が残ると感じるところです。試しに「単位時間当たりの血流量を計測し、時間軸で積分すると何が分かるか?」等という質問を、説明を聞いてくれた高校生にぶつけてみたいところですが、そんな大人げないことは自重しております。
ところで、塾に通っている高校生の中には1年生でも微分を知っていたことには驚きました。また、高校生から「計測した結果からどうやって0~100の評価値にしているのか?」という質問を受けましたが、なかなか良い質問だと思います。簡単な方法としては、計測した各データ(xi)の差分を2次元座標にプロット(ローレンツプロット)すると y=x を中心線とする楕円が描かれ、その楕円形の面積と、計測値の最大値と最小値で作成できる長方形の面積との比を求めれば、必ず0~100の値へ変換できると説明しました。質問してくれた高校生は笑顔で理解できたと言ってくれましたが…(注:実際はもっと丁寧な説明をしていますし、実際のプログラムではより複雑な手法を用いて評価値を求めています。)
今年は高校生に交じって中学生や小学生も見学に来ていました。想定外の事態にも対応できないようでは世の中を渡っていけないとか、小学4年生の子供にも分かるように説明できないようでは本当に理解しているとは言えない、というのが私の持論ですが、この持論に照らして自分は本当に理解できていないことを思い知った今日この頃です。
私には、サイエンスフェアin兵庫へ参加して社会貢献をしよう等という高尚な想いは持ち合わせていませんが、参加して感じたことはとにかく面白い、ということです。何が面白いかというと、若い高校生と会話し、高校生が私の拙い説明を真剣に聞いてくれ、質問してくれることが面白いです。私もついつい説明に力が入ります。特に2014年に参加した時、数学教師から「授業で教えていることが実社会で活用されていることを知って嬉しい」と言われた時は私もうれしかったです。参加後の飲み会が楽しみであることはKNSなら言うまでもありませんが、参加することが面白いから毎年続けられているのだと思います。たぶん、来年もサイエンスフェアin兵庫が開催されればKNSから参加することでしょう。
15:00の展示終了時間から展示物の片付けをして外に出てみると、高校生たちを迎えに来たバスが待機しています。その周辺には高校生たちがいて、この中に説明を聞いてくれた高校生がいるのかなという思いを馳せながら、足取りも軽く居酒屋へ向かうKNS有志一行の姿がありました。
参考サイト
ひょうごのSSH(スーパーサイエンスハイスクール)
https://www.hyogo-c.ed.jp/~koko-bo/05risuu/r2ssh-ssh/r2ssh.html
KNS活動スケジュール 第18回サイエンスフェアin兵庫への出展(No.1,205)
https://kns.gr.jp/schedule/0125-2026/
