Activity Report 活動報告
オープン・サイエンス研究会Vol.3 SPring-8等見学会 「大人の遠足」「研究室探訪」
今回は、かねてからOS研の企画として開催を目論んでいた「大人の遠足」と「研究室探訪」を実施しました。すなわち、兵庫県内にある世界最高性能の研究施設・国家基幹技術である、SPring-8(大型放射光施設)とSACLA(X線自由電子レーザー施設)の見学に加え、近くにある兵庫県立大学理学部の宮澤淳夫先生の研究室を訪問しました。
当日は、まず相生駅に15名が集合。そこからSPring-8行のバスに乗り込み、高台にある播磨科学公園都市内に入り、県立大学理学部のバス停で降車したところ、不在のはずだった宮澤淳夫先生に出迎えていただきました。そのまま播磨理学キャンパス・研究2期棟まで引率され、宮澤研究室電子顕微鏡解析グループが研究で使用している装置である透過電子顕微鏡(TEM)、走査電子顕微鏡(SEM)を見学しました。最初は、仲介役の久さんからは「ただの酒飲み集団」と紹介され、理系ですらない我々にとまどった様子でしたが、助教の西野 有里先生とともに丁寧に解説していただきました。水分を含んだ生体試料を瞬間的に凍らせた後、凍ったままの試料を電子顕微鏡で観察する技術で、そのもの自体が見えるという点でSPring-8とは大きく異なるそうです。短時間での訪問になって申し訳なかったなという思いも抱きつつ、昼食へ。ここで遅れてきた二人と合流し、総勢17名でSPring-8に乗り込みます。
<▲兵庫県立大学 播磨理学キャンパス・研究2期棟>
<▲宮澤淳夫先生(右端)に食堂までご案内いただく>
SPring-8の敷地内にはバス停が3つありますが、最後のバス停で降りると、ここでも職員の方が我々を出迎えてくれました。ますは、右手にSPring-8、正面にSACLAが長く伸びる建物を見ながら、SACLAの実験研究棟に入り、職員の方から概要説明を受けます。なお、この職員さんは普段は研究者の実験を支援していて、実験に合わせた放射光や実験装置の調整などを行っており、じつはこの方たちが居なければ、実験もできず、成果も上がらないという存在の方々です。
<▲奥に伸びるはSACLA>
さて、いよいよ施設内の見学です。SPring-8もSACLAも光の速さの近くまで加速された電子を打ち込み、放射光やレーザーを発生させるのですが、一年中稼働しているわけではありません。8月はちょうど運転停止期間中で、つまりは実験も行われていないので、逆に我々は中まで入り込み、実験装置まで見ることができました(運転中だと、おそらく実験ホールの一部をガラス越しに見学することになったのではないかと思います。)。SACLAは全長約700m、SPring-8は周長約1,400mですので、全部を歩き通すのは大変なので、SACLAは途中で引き返し、SPring-8もリングの1/3ほどの見学とまりました。停止期間中ですから、人もほとんどおらず、たまにすれ違う自転車に皆驚いたりしましたが、すべて同行する職員さんの解説つきで、十分堪能できました。
その後、夕方になると鹿の大家族が敷地内を闊歩するという話を聞きながら、正門近くのPR館「オプトピア」まで一緒に歩き、そこで記念撮影。最後は正門入り口のバス亭まで見送られてからSPring-8を後にしました。
とはいえ、ここからが本番。姫路に移動して、駅前の姫路のれん街「おでんと串カツ姫路のお店」にて交流会。お店の外側に並べた青天井の席で大いに盛り上がりました。
それにしても、今回は、初めて「調整さん」で日程調整したところ、最初の10人全員の都合がつく日が奇跡的にあったことに始まり、直撃が予想された台風10号が迷走して思わぬ良い天気になったこと、SPring-8の運転停止期間で実験棟の中まで見られたことと良いことが重なりました。そして、何よりも、(1)平日であること、(2)15名以上のグループであることという2つの見学の条件をクリアできたのは、KNSという土台(プラットホーム)の存在のおかげです。改めてKNSを支える日頃の皆様の活動に感謝申し上げます。
<▲「おでんと串カツ姫路のお店」にて交流会>
<▲あくまで路上です。青天井です。>
■日 時 : 2024年8月27日(火)
10:30 相生駅改札口に集合
10:40 バス乗車(神姫バス)
11:03 バス停/県立大学理学部着
11:15~12:00 研究室見学
12:10~12:50 昼食
13:02 バス停/県立大学理学部発
13:17 SPring-8着
13:30~15:00 SPring-8・SACLA施設見学
15:27 SPring-8発
16:05 相生駅着
16:18 相生駅発 ⇒ 姫路16:39着
16:50 交流会
*兵庫県立大学大学院 理学研究科 生命科学専攻 細胞機能解析学部門 細胞構造学分野
https://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/cellbio/index-j.html
*電子顕微鏡解析グループ https://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/cellbio/Miyazawa_Research.htm
*SPring-8:http://www.spring8.or.jp/ja/ をご参照ください。
*SACLA:http://xfel.riken.jp/sacla/index01.html をご参照ください。
なお、SACLA のHP(http://xfel.riken.jp/)を見ると、訪問者としていろいろな高校の名前が並ぶ中に、「関西ネットワークシステム(KNS)」の名前もあって、しっかり我々の足跡が残っています。