Members Column メンバーズコラム
初めてのプロレス
長坂 泰之 (流通科学大学) Vol.707
KNSのメンバーの方の中にプロレス好きな方もたくさんいらっしゃると思いますが、私はプロレスに全く興味がない人間でした。小さいころから相撲もボクシングもよく見ましたがプロレスはほとんど見たことがありませんでした。何故か?理由は単純明快で「嫌いだったから」です。無理やり理由を捻り出すと、プロレスには演技やパフォーマンスの要素が強く含まれており「本物の戦い」とは違う。ショーとしての要素が強すぎる。特に血が出る場面や痛々しいシーンがスポーツとは程遠いなどなど。今から考えると親が嫌いというのが一番の理由だったかもしれせん(一方で、親の刷込みで野球はずっとドラゴンズ。最近ややベイスターズに浮気気味)。
そんな私が61歳にしてプロレスデビューを果たしました(と言っても選手ではありません)。調べてみると、まずは、日本には全日本プロレス(全日)と新日本プロレス(新日)というプロレス界を代表する二大団体があること(これだけは知っていた)。両団体はそれぞれ独自の歴史と特徴を持ち、プロレス文化の発展に大きな影響を与えてきた。
まず、全日です。全日は1972年にジャイアント馬場によって設立されました。「キングスロード・スタイル」として知られる、リアリズムとドラマを強調した試合スタイルを特徴としています。一方、新日ですが、新日は1972年にアントニオ猪木によって設立されました。「ストロングスタイル」として知られる、打撃技と関節技を重視した試合スタイルが特徴です。そして、この全日と新日の他にも、プロレスリング・ノア、ドラゴンゲート、DDTプロレスリング、スターダム(女子プロレス団体)等の組織があることがわかりました。プロレスの団体って相撲部屋のようなものかと思っていました。相撲は基本的に相部屋(同じ部屋)対決はしません。プロレスも当然そうかなぁと思っていたら、プロレスは基本は全日は全日、新日は新日で試合をするそうです。とすると相撲で言えば同じ部屋同士で死闘を繰り広げることになります。
んっ?要は同じ興行と言っても興行の意味するところは、相撲とプロレスとは全く違うということなんだ。と、ここまで来てようやく気づく私。今回誘ってくれた仲間が一生懸命教えてくれたプロレスの魅力をもうちょっと調べてみようかと思った瞬間でした。そしてさらにプロレスについて聞いていくうちに、「これは一度行ってみないと何がよいのかわからない」と思うようになったのです。
観戦を申し込んでから1か月。あっという間に当日になりました。会場はなんばのエディオンアリーナ大阪。リングサイドで前から3列目のいい席です。試合は全7試合。5試合目からの3戦はタイトル戦。これで8000円は安いらしいが、よくわからない私。1試合目と4試合目は男子ペア。結構な迫力、そして結構面白い。真剣にやっているときもあるしユーモアもあり。2試合目は男女ペア。男女で戦うこともありめちゃ楽しく見れる。3試合目男子総勢8人はルールがあってない乱闘戦。この4試合だけで、今までイメージしていたプロレスとは異なり、ショービジネスとしてかなり満足している私。いよいよ5試合目。実はこのタイトル戦の挑戦者が仲間の応援するミスター斉藤 土井成樹選手。このあたりからファンの声援が一気にヒートアップ。さすがにタイトル戦ともなると迫力は申し分ない。というか凄い音、凄い振動、凄い表情、凄い声。これはテレビではわからないド迫力。どちらもいつスリーカウントをもらってもいい展開だったが、最後に土井成樹選手が勝ちタイトル奪還した。我々のメンバーは一気に盛り上がり、その渦に引き込まれていくのであった。第6,7戦のタイトル戦はさらに迫力満点の凄い試合。勝ち負けはどうでもよくて、その過程でプロレスのパフォーマンスに完全に魅了されてしまった私。終わって「8000円は安かったです。また来たいです」と言っている私。
来てやっと相撲の興行とプロレスの興行の違いを体感したのでありました。プロレスファン?になりたての私が、「プロレスの美学」を語るのは早計であると思いつつ、初体験で感じたことを書き綴って筆を置きたいと思います。
「プロレスは美学」なんて思ってもみなかった私の発言。
以下、chatGPTで調べてみた「プロレスの美学」について自己採点してみました。(5段階で高い評価が「5」)
- ストーリーテリング
(1)プロレスは試合ごとにストーリーを持ち、選手同士の対立や友情、勝利と敗北などのドラマが展開されます。このストーリーテリングが観客を引き込み、感情移入させる要素となります。「4」
(2)各選手は独自のキャラクターを持ち、その背景や個性が試合を通じて表現されます。ヒーローと悪役の対立など、伝統的なドラマの要素が取り入れられています。「3」(悪そうなレスラーが少なかった)
- 技術とパフォーマンス
(1)プロレスラーは高い身体能力と技術を持ち、その動きはしばしば芸術的とされます。飛び技や投げ技、打撃技の一つ一つが緻密に計算され、美しいフォームで披露されます。「5」
(2)選手同士が絶妙なタイミングで技を繰り出し、受けることで、試合全体が一つのパフォーマンスとして完成されます。この連携の美しさはプロレスの魅力の一つです。「5」
- 感情の表現
(1)プロレスの試合では選手たちが全力で感情を表現します。怒り、喜び、悲しみ、痛みといった感情がダイナミックに表現されることで、観客の感情も動かされます。「4」
(2)観客は選手たちの感情に共感し、試合の結果に対して強いカタルシスを感じます。これにより、観戦体験が深く感動的なものとなります。「4」
- リアリズムとフィクションの融合
(1)プロレスはフィクションでありながら、選手たちの本物の技術と努力が求められます。リアリティのあるパフォーマンスが、観客に対して本物の緊張感と興奮を提供します。「4」
(2)試合の結果やストーリーラインは事前に決まっていることが多いですが、それが観客にとっていかにリアルに感じられるかが重要です。このリアリティの追求がプロレスの美学の一部です。「4」
- 観客とのインタラクション
(1)プロレスは観客との一体感が非常に重要です。声援やブーイング、リアクションが試合の一部となり、観客自身が物語の一部となることで、試合の魅力が増します。「5」
(2)プロレスはライブイベントとしての魅力が強く、その場でしか味わえない臨場感や緊張感が美学の一部を形成します。「4」
- 文化と伝統
(1)プロレスには長い歴史と豊かな伝統があり、それが美学の一部となっています。過去の名選手や名勝負が今も語り継がれ、プロレスの価値を高めています。「3」(ここはまだまだ勉強不足)
(2)プロレスは一部の国や地域で重要な文化の一部とされ、社会に対しても大きな影響を与えています。これがプロレスの独自の美しさを形成しています。「3」
どこまでファンになるかはこれからのお楽しみですが、プロレスの魅力をだいぶわかってしまったことは間違いありません。ただ、実際にプレーをした野球なテニスの方がより愛着はあるかな。ということでそろそろテニスも再開せねば。以上、長坂でした。