Activity Report 活動報告
コミュニティスポット2525 Vol.58
今回は、国産ドローンメーカーの谷紳一さんから話題提供いただきました。
いわば趣味が高じて2010年にマルチローター型ドローンを自作した時に、「自分は世界でも先端的な位置に居る」と自覚して、2年後にはドローンを設計・開発・製造する会社を立ち上げ、ちょうど10周年を迎えたというベンチャー企業のお話ですから、それだけでも興味深いところです。
例えば、ドローンのほとんどは、バッテリー型で最大飛行時間が30分程度という大きな課題を抱えているそうですが、その課題解消を目指してハイブリッド型ドローン(発電機とバッテリーの掛け合わせ)開発し、2時間程度の飛行時間を実現したというのが強みです。これにより、活用分野が一気に広がって、実現する夢も膨らんでいます。それを「独自の設計と、最適なコンポーネントの構成で、機体を作り上げる技術力」が支えているわけですが、世界を見渡せば、そうした会社はあるのだと思うけど、よくわからないということで、まだまだ発展途上にある分野だと痛感しました。もちろん、今後の海外展開も期待できるので、視野に入れているようです。
でも、さらにお話が面白くなってきたのは、最後に「なぜ歯科医がベンチャーを」と言われるが、そうでなくて「歯科医をしていたからこそ」と解題するようにお話し始めたところからでしょうか。その後の質疑応答などで、話が脱線したり、開発中の失敗話が飛び出してくると、それらを通じて、谷さんの人となりがわかってきます。(私は、昔、マイコン時代からコンピューターの基盤をはんだ付けするような経験をしてきた北海道大学の先生に、黎明期に一から実際に組み立てた者の強み、というのを教えられたことを思い出しておりました。)
交流会に至ると、谷さんの生い立ちから、本当の起業のきっかけ、他所では言えないような話も飛び出して、久々にリアルな交流の醍醐味を味わうことができました。皆さんのお若い姿に驚かされつつ、最後は、吉田耕治さんからの「GEは無理でも島津は目指せる」の評に応じて「ならば100年企業を目指そう」と大いに盛り上がりました。
■日 時 :2023年4月18日(火)18:45~20:30
終了後交流会を開催
■場 所 : ハービスPLAZA 5F会議室(大阪府大阪市北区梅田2丁目5-25)
■テーマ:「ハイブリッド型ドローンが世界を変える」
◇概 要: 未だ現役の歯科医でありながら、何故私は10年前にドローンのベンチャーを立ち上げ、しかも業界で注目される存在になり得たのか?
■話題提供者 谷 紳一さん
株式会社エアロジーラボ(AGL)代表取締役CEO
国産産業用ハイブリッドドローンメーカー|エアロジーラボ(AGL) (aerog-lab.com)
◇ プロフィール: 大阪市出身。1987年大阪大学歯学部を卒業、歯科医師となり1992年開業。1998年には医療法人を設立し理事長に就任。のちに趣味で始めたラジコンヘリに没頭し2009年に国内初のマルチコプターを製作、優れた映像作品が注目されCMや映画の空撮を受注。2012年にエアロジーラボを設立、2018年の資金調達から僅か3年で国内を代表する機体開発メーカーに成長させた。未だ現役の歯科医師でもある。