Activity Report 活動報告
第7回循環型社会研究会
循環型社会研究会では、6/10,11の二日間にわたって、徳島県上勝町を訪れ、NPO法人ゼロウェイストアカデミー、(株)いろどり、上勝町長笠松さまにお話をお伺いしました。
はじめに、ゼロウェイスト・アカデミーでは、職員の松岡夏子さんに、34分別のごみ分別のお話から、資源循環型社会への地域社会の取り組みについて、具体的なお話をうかがいました。
小型焼却炉で処理していた頃は1億円近くかかっていた処理コストは、現在2000万円程度に圧縮されているなどコスト面での効果はもちろん、どうしても焼却にまわさざるを得ない古布団の綿をうちなおし、地元の高齢者による座布団づくりに取り組まれるなど、徹底的な住民参加が図られていました。
町による収集はされず、拠点回収のみ。住民にとってはいつでも出したいときにごみが出せる便利さもあるようです。
今後の課題はごみ減量のベストプラクティスづくりと環境教育へのアプローチ。デンマークでの経験を生かし日夜努力されています。
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次に、町の経営する第3セクター、株式会社いろどりの横石取締役さまからお話をお伺いしました。
200人の契約農家と結ぶ防災無線を活用したITシステムによる受発注システムの革新性もさることながら、その根底にある、人々の当事者としての力を信じ、ひとりひとりが問題解決のために考え行動することを絶えなく促すという、情報サービスのひとつの完成形をみたように感じました。研究会のメンバーからは、それを一人の努力でなく、いかにシステムとして穀zするか、という質問も出ました。今後につなぐ後継者づくり、人材育成がその鍵であるとのことでした。
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10日夜は町内のふれあいセンターで研究会を実施しました。
ゲストスピーカーは、
(1)志門経営コンサルティング 下田佳男氏
(2)アミタ株式会社代表取締役社長 熊野英介氏
(3)聖学院大学政治経済学部教授 平修久氏
(4)岡山県英田郡西粟倉村村長 道上正寿氏
の4名の皆様でした。
また、上勝町議会議員さま、まちづくり推進課長さまのご参加も得、地域再生のための具体的な提案や活動事例など、幅広いお話を伺うことができました。
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翌日11日は上勝町長笠松和市さまのお話をお伺いしました。
「真・善・美」というキーワードでまちづくりをすすめておられることの意義についてお聞きし、現在の多くの自治体の活動が、手段が目的化し、こんな町、こんな国づくりをしようという理想像がないことへの強い意見をいただきました。上勝町の理想像は、「環境倫理に基づいた持続可狽ネまちづくり」であり、ゼロウェイストの取り組みを通じて、生活文化の発展を期しておられることなどをお話いただきました。
ツアーの参加は合計18人。参加者同士の交流からも大きな知恵と力をいただいたツアーになりました。