Members Column メンバーズコラム

対中国ビジネスとしての弊社発足からKNSとの関わり&最近の活動について

濱松誠一 (株式会社UNIWORLD EXPRESS JAPAN)  Vol.562

濱松誠一

わたくしどもの会社は約7年前に中国の友人と設立致しました。設立の目的は「日本の優れた製品を中国市場で販売すること」を目的としています。
設立当初はご存知のとおり「中国人の爆買い」が日本で起きておりましたので、日本製品を中国で販売するため中国への物流ルートを学習する必要があると考え、まずは中国訪日客達が購入された日本製品を中国のご自宅まで配送する事業を開始することに致しました。
大阪エリアを中心に家電量販店や百貨店内に荷物収集のデポを設置させていただき、当初はかなりの物量を弊社が開発した物流ルートで運ばせていただく事により多くの学びを得ることが出来ました。しかしながら中国サイドの個人荷物物流のルールが目まぐるしく改変されるため、約2年でこの事業は廃止をし、その後本来の目的であった「日本の優れた製品を中国市場で販売すること」に取り組むことに致しました。

但し、日本の大手メーカー製品については既に中国で大きな販売をしいましたので、私達は優良な中小企業メーカー品を発掘選別し中国で販売する方向でいくことに致しました。
当初は家庭用品雑貨等を販売する方向で日本全国の産地を尋ねました、地元大阪はもとより、各地の集散地を訪問すると同時に、大阪での様々な交流会に参加致しました。
そのような活動の中でのご縁でKNSにも参加させていただくようになりました。
現在はそうした活動によるご縁と中国でのマーケティングの結果、日本の優秀な中小化粧品メーカー数社と中国販売の総代理店契約を結び、中国本土で日本の中小化粧品メーカーのブランド化を強力にサポートし販売活動をしています。
ここ数年中国販売に注力した経験上、皆様のご参考になるかどうかは判りませんが、中国での販売についてアドバイスをするなら、下記のようなことが言えると思います。
一つは、まず日本である程度販売実績のある品であることは必須ですが、日本で販売実績があるから中国で売れるとは限らないことも理解して於いていただいた方が良いと思います。
もう一つは、そのような品を中国で販売していくためには中国での強力なパートナーが必要です。日本の中小メーカーが単独で越境eコマースのみでチャレンジしてもほとんどの場合、思うような実績は上がりません。中国での強力なパートナーとeコマースを含め、強力な販売網を構築し、広告(ライブコマースetc.)等大きな経費も覚悟したうえで、息の長い営業活動が必要と感じています。

上記のような営業活動を継続していく中、日本各地の中小メーカーと様々な出会いができました。しかし、私自身の繊維業界からはじまった、様々な商材を扱う長い営業活動経験から、大変僭越ですが品質は良いのにデザインやStoryをもう少し工夫をすれば売れる可能性がある商材に多々出会うことがありました。そのような商材を観るたびに、微力ですが何かできないか考えておりました。
そのようなときに堂野氏よりクリエイター、デザイナーと接点を持つ機会を頂けたり、JAPAN BRANDを強力に海外で販売していこうというグループに出会う機会をもつことが出来ました。
皆様ご存知かどうかはわかりませんが、私自身も約2年前にJAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL(JAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL (jbfproducer.com)に2期生として参加させて頂くことが出来ました。

(JAPAN BRAND PRODUCE SCHOOLにて)
現在はそのような中で知己を得たメンバーといくつかの案件を推進させて頂いております。
その一つをご紹介させて頂きます。
山陰地方のきのこ農家(きのこ農家とは言っても企業農家です)が農産物6次化製品として製造されていた化粧品があり、もともと我社の中国ルートで販売して欲しいというご要望がありお会い致しました。
サンプル品をお預かりし、弊社の関係者にテスト使用してもらったところ大変評判が良く、
テスト使用者全員が品質の良さを認める品でした。
しかしながら、日本で売れている商品ではなく、なかなか弊社の中国ルートで扱うには難しい商品でしたが、テスト使用者の評判があまりにも高いため、とりあえず現地を訪問することに致しました。
現地を訪問して菌床きのこ農家としてはかなりの規模で展開されており、かつ山陰の大仙・日本海などの自然に恵まれた地域で、高齢者の活用、有機栽培、循環型農法などにも取り組んでおられStoryの宝庫であることが判り、ここにデザイン経営を取り入れて行けば大いに発展性があると感じられました。訪問から帰阪してJAPAN BRAND PRODUCE SCHOOLで知己を得たクリエイター・デザイナーのトランクデザイン堀内氏にお声がけを致しました。そして堀内氏とご一緒に再度山陰へ訪問し、きのこ農家の代表者を交え様々なお話しを協議させて頂きました。

(菌床きのこハウス内)
その後紆余曲折はありましたが、現在関係者全員のコンセンサスを得て、農産物6次化製品としての化粧品リニューアル、加工食品、また増設されるきのこ製造エリアでのきのこ栽培品種増加、新しいきのこの販売ルート開拓等をしつつ、地元の発展・活性化を基本にサーキュラエコノミーの考えを持ち、全体のディレクション&プロデュースをデザイン経営の観点から、きのこ農家の方々とご一緒に再構築していくことに取り組んでいくことになりました。勿論、今後生まれてくる商材で中国での販売可能性のあるものについてもチャレンジしていきます。
地元の方々と気持ちを一つにして取り組まなければなりませんが、まだまだ日本には隠れた素晴らしいリソースがあると改めて感じております。
現在はパンデミックなど想定外のことも起き、行動制約がありますが、サーキュラエコノミーを基本にした地方の活性は今後の日本の未来をつくる大きなファクターになることは間違いないと思っております。私も今後とも微力ながら尽力したいと考えています。

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